タッチパネル

マウスのようなポインティングデバイスに比べ、タッチパネルはより直感的な操作感が実現できるという利点があります。利用者層の広いATMなんかにはうってつけですね。指で直接タッチする方式と専用ペンなどを使用する方式とがありますが、ペン方式はなくしてしまうとものすごい役立たず感をかもしだしてしまうので、ATMでは直接タッチな場合がほとんどです。銀行が役立たず感など漂わせるわけにはいかないのです!

いや、役立たず感なんて今でっちあげただけの話なんですけど。実際のところはペン方式のほうが分解能が高いという特徴があります。でもボタンを押すくらいの用途であればそれほどの分解能は必要ない。それならペンをなくして困ることもないし、直接タッチでいいよねってところなんじゃないかと。

で、直接タッチ方式にはアナログ被膜抵抗方式ってのが多く用いられています。これは2枚の導電被膜を使ってる方式でして、まずちょっとだけ隙間をあけて2枚の被膜をパネル表面にはりつけます。そして実際にパネルが押されると、被膜がたわんで2枚の被膜がくっつくのでその位置を検出してあげるという仕組み。

ただ、この方式だと被膜を2回通過する間に光が散乱されてしまいます。そのせいで透過率は80%〜90%といったところ。透過率が低いということはつまり画面がハッキリ見えないということです。画面がハッキリ見えないとイライラします。画面が見づれー!ムキー!と利用者がサル化してしまうことだってあるかもしれません。これではATMを利用する人が減ってしまう。困りました。

というわけで今回富士通さんが開発したのは表面弾性波を用いたタッチパネル。これは表面に超音波などを発生させ、指が触れるとその波が吸収されるので、その位置を検出することによってタッチパネルな性能を発揮するという仕組みです。多分。これだとタッチパネルを作成するのにガラス基盤一枚ですむので高い透過率を達成可能で利用者もサル化せずにすみ、人間の尊厳は守られてめでたい。うー、なんか書いててイマイチ自信がない。

もっともこの方式自体はすでにあって、これを用いたタッチパネルが商品化されてたりもします。じゃあなにがスゴいんじゃというと、『今回開発したのは、パネル額縁部の幅が狭くても高精細にタッチした位置を検出できる電極構成法と、位置検出回路、電気信号を表面弾性波に変換する圧電薄膜トランスデューサを形成するプロセス技術です。』なんだそうで。ぬぬぬぬ。難しくてよくわかりません。

勝手に噛み砕いてしまうと「額縁部を狭くするために電極の配置を工夫して、さらにはタッチ位置の検出回路を新しく作りました!オマケに電気信号を波に変換する装置についても頑張りました!」とかいう話なのかなーと思います。こんなに無責任でいいんだろうかという気もしますが、私のアタマではこれが限界でした。許してください。

ともあれ、タッチパネルの小型化と透過率98%なるすごい性能を実現したってのはスゴいことです。ゆくゆくは携帯電話やPDAに_という話だそうですが、PDAスタイラスペンが主流だし、携帯電話にタッチパネルはなんか押しづらくないかなーという気もしないこともないぞ。ぐぬぬぬ。でもタッチパネルが便利なことには違いないので、ゆくゆくは世の中のすべてのディスプレイがタッチパネルになってほしい!と思いました。

そうするとディスプレイは指紋だらけになるので、超極細繊維を使ったメガネ拭きなどがものすごい勢いで売れるかもしれません。今のうちに繊維メーカーの株を買っておくのがよいかも。


富士通プレスリリース

スクウェアエニックス

とうわけでゲーム好きの人がスクウェアとエニックスの合併話で盛り上がっているさなかにタッチパネルの話なんかしてしまいました。でも新社名「スクウェアエニックス」ってのは「セガバンダイ」を彷彿させてくれて面白いです。そーいや一番最初に買ったゲームソフトは「ポートピア連続殺人事件」だったなあ。