京極町/神威岬

日曜を無聊にすごすのもなんなので、中山峠→京極町神威岬というルートでドライブしてきました。ライダーがたくさんいて夏だなという感じがします。北海道の人はそのようにして夏の訪れを知ります。
中山峠、京極町のあたりでは本来羊蹄山の眺望が得られるはずなんですが、今回は残念ながら曇りがち。中山峠の揚げ芋も食わず、なにしに行ったのやらという感じです。でもお昼ご飯食べたあとでジャガイモ串(三連)は無理です。くやしいのでソフトクリーム食べたりしました。冷たくて甘いものです。
で、京極町。こちらは銘水の地として知られています。羊蹄山麓の湧水、というだけでなんとなくうまい気がするほどです。しませんか。あとは京極夏彦の出身地でもあります。これでもかというくらいに分厚い本で有名です。作家でありながら鈍器の制作者と言ってもよいという、実に希有な方でいらっしゃる。町の人口はおよそ3,800人。マスコットキャラクターはゆうくんとすいちゃん。水滴をモチーフにした、まるで水道局の広報キャラクターのようなたたずまいを京極町のサイトで見ることができます。
銘水に触れたければ町内のふきだし公園に行くとよいです。休日ならペットボトルやポリタンクを抱えた人をたくさん眺めることができるでしょう。私はもちろんそんなに準備がよくないので、水を汲むことはできません。手を洗うくらいがせいぜいです。うむむむむ。なんだか悔しいので、悔し紛れに写真を撮ってみました。園内の手すりを利用してスローシャッターを試すことができたので、多少溜飲が下がりました。

途中で原発のある泊村を通過しつつ神威岬へ。余談ですが原発PR施設であるところのとまりん館は入場無料でトイレがとても綺麗なので、道の駅がわりに利用するといいと思いました。余談終わり。
神威岬には昨秋にも訪れて薄茶色の地味な写真を撮影したことがあります。とはいえさすがにこの季節はすばらしい緑を目にすることができます。海も青いです。しかしながら惜しむらくは到着時刻が遅すぎた。もうすっかり日が陰ってしまっています。夕日はちょうど岬の向こうに沈む格好になりますので、いくら写真を撮っても逆光で真っ黒です。順光で撮った景色は岩が主役です。それでいて苦労してたどり着いた岬の先端は、中国語かつデカい声で喋る人々と、ベンチに座っておのれらのみの世界に浸りきるカップルに占拠されています。時代が時代なら神威岬は女人禁制の聖地であったはずなのですが、それが少々の時を経てこのようなことになるとは。なにやら珍妙な気もします。
まったくもうどうなってるんだか。というわけで、またしても悔し紛れに写真を撮ります。19時30分の閉門ぎりぎりまで粘って日没の写真を撮ります。なんかゴールデン洋画劇場みたいなおもむきです。撮影を終えて駐車場に向かうと、なにやらご立派な撮影機材を抱えた人々に会います。老後の趣味を写真とさだめたとおぼしき方々です。かかえた三脚だけで私の手持ちのカメラとレンズ代くらいはまかなえるでしょう。意味もなく負けた気がします。

そこから札幌までは約2時間。帰路で事故渋滞に遭遇したりもします。自宅到着は21時30分。走行距離はおよそ300km。次の日は仕事だというのに我ながらよくやります。
というわけで実に楽しい週末でした。神威岬にはまた行きたいと思います。あそこのトイレは少々アンモニア臭がするけれども釧路湿原の鶴岡展望台ほどではない。でも今度はもうちょっと早い時間がいいです。