PDFの誘惑

私の職場ではWord一太郎などのワープロ文書が添付されたメールもけっこう活発に飛び交っています。が、印刷を前提にするときに活躍するのはやはりPDF。フリーのAcrobat Reader(Adobe)さえあれば、どこでも似たような印刷結果が期待できることから、書類大好きな方々には好評のようです。印刷しなくても読めるし、保存用にも使えるからすげー便利!必要なときだけ印刷してあとはHDDにコンパクト収納!ペーパーレスオフィスですっきりワークスペース!というのが売り文句です。多分。

しかしPDFを作成しようとなるとAcrobatを買わねばなりません。これが28,310円(アドビストア価格)!高けー!個人ではとても買えたもんじゃありません。もっともPDFフォーマット自体はオープンな企画なので、pdfFactory(日本システムディベロップメント)のようなシェアウェアを利用することも可能ではあります。これならVectorプロレジで6,800円。でもどうせならフリーソフトでPDFを作れないか?というお話。

というわけで、さっそく上のページにしたがってGhostscriptPostscriptプリンタドライバをダウンロード。最近すっかり実験機と化しつつあるPrimaryマシン(Athlon500MHz、Windows2000SP3)でためしてみました。おー、ちゃんと日本語も出力できるよ!Open Officeと組み合わせれば完全フリーで完結!そこいらのオフィスにだってまけちゃいないぜ!技術の進歩って素晴らしいネ!とか思いました。

思ったんですがー。

正直なところ、この方法は結構面倒くさいです。ダウンロード&インストールの手間はさておくとしても、PDFにするまでの工程が結構大変。
 Acrobatを使う場合は、プリンタを「PDF Writer」にしてやるだけで基本的には終わりです。あとは普通に印刷を開始すると「ファイルの保存」ダイアログボックスが出てくるので、適当な位置とファイル名を指定してやって終了。
 ですが今回紹介したシステムの場合、印刷時に「Postscriptプリンタ」を指定して印刷すると、無愛想なダイアログボックスが出てきてそこにファイル名をフルパスで指定する必要があります。しかもここで生成されるのはPostscript形式のファイルでしかないので、その後改めてコマンドプロンプトからPDFへの変換作業を行わなきゃならない。工程としては1ステップ増えるだけですが、その方法がどーも手間です。これなら大枚はたいてAcrobat買うよ!ってほどではなくとも、pdfFactoryシェアウェア登録ならいいかもねってくらいには。

まあこのへんは文句を言っても仕方のない話ではあります。そもそもGhostscript自身がPDFファイルを作成するためのプログラムってワケでもないし。大量のPostscriptファイルを作っておいて一括置換、とかならかえってコマンド叩いたほうがラクかもしれない。

でもやっぱり面倒なものは面倒なんだよ!ムキー!

あー、いや、今回は実験で使ってみましたけど、そもそも自宅には稼動するプリンタがないってほど紙に印刷する必要性は感じてないんで、PDFを作る理由も特にはなかったりするんですけどね。それでも年に1回くらいは印刷熱が高まったりすることがあるので、そのときのために導入しとく分にはいいんじゃないかと思いました。で、そのためにコマンド覚えるのはヤだな。テキトーなバッチファイルでも作っとけばいいのか。

ま、コマンド叩くのが苦にならない人にはいいんでしょう。でも「パスってなに?」とか「コマンドプロンプトを見るとめまいが」って人にはおススメしません。フリーってのは確かに大きな魅力ですが、それにはそれなりの手間が必要ってことですね。それがイヤならお金を払うべきであると。

さて、今度はpdfFactoryの試用でもしてみることにしよう。でもやっぱり普段はテキストファイルでいいや(苦笑)。