和歌山のミカンを和歌山の子供に

ニッポン食事情咄の第49回目。いつもどおり興味深く読む。今回ひっかっかったのが「●アイデアは競争原理にしかないのか」のくだり。かつてないほど競争原理が絶対視され、そこに乗って自己顕示を目指す人が増えている中で、このように「それちょっと違うんじゃないの?」という声が聞こえ始めている。それはまだまだ少数派で、ともすれば大音声にかき消されてしまいそうなものではあるけれども、遠くない将来これが大きなうねりになるはずだ。やっぱり今の世の中は競争原理に偏りすぎていて、そのような偏向は必ずカウンターとしての思考を生み出すものである。人間の持つバランス感覚のなせるわざだろうか。
「反競争主義」という呼び名はまず競争主義ありきであまりよい呼び名とも思えないけど、とりあえず後攻めなんだからこれが一番わかりやすいだろう。もちろん私は競争主義によってもたらされた恩恵に囲まれて暮らしているわけだし、そこに利のあることは見逃してはならない。けれども今のところ、私は「反競争主義」側に組したいと考えている。天邪鬼の面目躍如といきたいところ。