バガー・ヴァンスの伝説

ゴルフ映画である。若かりし頃に名ゴルファーとして名を馳せたが、第一次大戦で『スイングを失っ』てしまったジュナと、彼を導くバガー・ヴァンスのお話。名優と言われるジャック・レモンが最後に出演した映画でもあるそうな。
ジュナの自身なさげなそぶりが延々と続くのには少々辟易としてしまう。バガー・ヴァンスのアドバイスも随分とまわりくどい。ジュナが失った自分を取り戻すまでを描く映画なのだろうが、ポイントがいくつかあって、その前後でどれだけジュナが変わったのかが今ひとつつかみきれないままに終わってしまった感がある。だから最後の神がかり的なパッティングにも説得力がない。唐突である。ストーリーは悪くないのだが。
ところで、この映画は20世紀初頭という舞台設定になっているので、アメリカ南部の性格だとか、現代にも色濃く残る地域性だとかを受け入れられないと感情移入できなくて困るんじゃないかと思う。ボビー・ジョーンズとウォルター・ヘイゲンの名前も知りませんって人にも薦められません。そういう意味ではやや敷居が高い。にしても、ロバート・レッドフォードは画の撮り方がウマいなぁ。