家電リサイクル

一番最初にPCを買ったのは大学1年のときのことだ。9年前のことである。その数ヵ月後にWindows95が出て、PCもないのに買ってしまって途方に暮れる人が続出、という一大詐欺事件がおきたのだが、当時はそんなことはまるで知らず、ショップの店員のいうなりにWindows3.1マシンを買ったのだった。のちにWindows95も買ったのだが、Pentium75MHzってのはともかくとして、メモリ8Mではマトモに動かずホゾを噛んだ記憶も生々しい。しばらくはレポートの作成でWordを使うくらいしか用途もなく、部屋の片隅で埃をかぶっていた。まだインターネットと存在すら知らなかったあの頃。ちなみにそのショップはその後あっさりとツブれた。
それが大学4年になって研究室に配属になると、そこのインフラが使えることが明らかになった。ネット次代の到来である。メモリを増設してWindows95もサクサク動くようになり、4GBという今となっては中途半端もはなはだしい容量のHDDも買った。関係ないがHDDの配達は朝8時に行われ、クロネコヤマトのおっちゃんがノックと同時に下宿のドアをけたたましく開けてくれたものだ。寝てたのに。ともあれ、たまたま研究室にはPCマニアがそろっていたので、多くの知識をそこで仕入れたりもした。PCマニアと呼ばれ、職場のシステム管理な部署につかされているのもひとえにこの研究室で過ごした1年間のたまものである。東風荘とか、CGIでチャットとかもやった。徹夜でIRCもした。朝寝て夕方起きるという壊滅的な生活にどっぷりとつかってしまったのは今でも後遺症が残っている。
結局、今のメインPCに切り替えるまでの5年ほど使ったことになるのだが、随分想い出深いPCである。だが、スペックがあまりにもあまりなのと、富士通の筐体は拡張性が皆無なのでここ何年も火が入っていない。いいかげん捨てるか、と思ったのもけっこう前のことだ。生来の不精のせいで、そのままずるずるとなんの処置もせずに放っておいたのだが、なんでもこの10月1日からPCが家電リサイクル法の対象になってしまうらしい。メーカーは用済みのPCを回収し、リサイクルせねばならんということである。ユーザーはリサイクル費用を負担する。今後発売されるPCはあらかじめ費用が上乗せされた価格となるはずだが、既存のPCは回収時に費用が徴収されるはこびとなっている。おおむね3,000〜5,000円とのこと。正直言ってけっこうなお値段である。
で、そうなってしまう前に大型ゴミとして捨てよう、というのが今回の趣旨だ。札幌市では事前に市の清掃局に連絡し、回収日を設定。しかるのちにコンビニなどで回収シールを購入して件のゴミに貼り付ける。簡単なルーチンではあるが、これが面倒でずるずるだったのである。しかしそうもいってはいられない。電話してみた。それが先週の話だ。
回収日は水曜であるとのこと。とすると9月24日か……ってその日は帰省中ですよ。ゴミ出せませんよ。次の水曜日は10月1日だからもう回収してくれないのでは!がーん。
と思ったらあっさりと10月1日に決定してしまった。PCはモニタ込みで500円。プリンタは200円。安い。そして拍子抜け。
札幌市のWebで確認してみると、自作PCやらショップブランドやらお亡くなりになったメーカーやらのこともあるので、当面は市でもPCの回収は継続すると書いてあった。ははぁそうですかありがたいことです。でもそれだとわざわざ高いカネ出してメーカーに回収してもらう人がバカを見るのでは。そのへんどうやら法律を定める国と実施機関となる自治体の間で足並みの乱れがあるようだ。リサイクルがらみの話は最近になってようやくとりざたされているもので、そこにはやっぱりカネがからむだけあってすったもんだがあるらしい。新たな利権、あるいは責任のなすりつけあいってヤツである。リサイクルとかエコロジーとか、お題目は大層ご立派でもその裏ではやっぱり旧態依然たる争いが勃発してるってことなんだろう。
ともあれ来週の水曜日にはPCを回収に出さねばならぬ。回収シールも買わなきゃダメだ。というわけでtoDo。