今日の新聞から

 フリースブームと価格面での圧倒的な優位性から「デフレ下の勝ち組企業」とされる「ユニクロ」のファーストリテイリングは2月の中間決算の経常利益が前年同期比31%減の430億円となることを発表。売上高も5.8%減の見込みで、94年7月の株式公開以来初の減収減益となる。

ブームを起こした企業がその後で減収になるのはある意味当たり前な気がするんですが、どうなんでしょうね。まさか毎年ブームを巻き起こすことができるというわけでもないでしょうし。同社の柳井社長は「消費者の低価格志向がいっそう強くなっている」と言っていまして、それはそのとおりだろうと思います。イオン(旧ジャスコ)やダイエーの猛追もありますし、よいものが安く買えればそれに越したことはありません。これがデフレの原因であるというのであれば、消費者の心理とそれに答えようとする企業努力はすべて、デフレの要因たりうることになってしまいます。

柳井社長は「価格競争ではなく、より工夫して品質をアップすれば消費者の支持は得られる」とも言っておりますが、これは今までの低価格路線からの転換を意味しているのでしょうか。それは先にあげた消費者の低価格志向が強まっているとの弁に対抗するもののようにも思われます。もちろん低価格は崩すことなく、品質も上げるということなんだとは思いますが、一見そぐわないように見える2つの路線をいかにして実現してゆくのか。本当に大丈夫なんかいなと思いつつ、楽しみでもあったりします。