Good Grief ?

タイの地下鉄建設に日本からの援助が使われて、その感謝の意味を込めて記念碑が建てられたというお話。で、ここにちょっとしたいきさつがあって、鈴木宗男議員の『日本は世界最大の援助国だが海外で感謝されていることが少ない』という台詞が『自民党外交族』の意見を代表するような形で書かれています。さらに外務省が『日本の援助によるものであると表示する』ように求めていることにも触れられてますね。外務省と鈴木宗男議員って取り合わせがなんとも今様なことであるなあという気がしますが、まあそれはさておき。

なんでも融資額は2,200億円とのことで、日本もものすごい額の赤字をかかえてるのによくもそんな余裕があったもんだってことになりますが、やはり諸外国から見て日本は豊かに見えるってことなんでしょう。そのことの是非についてもきっと議論百出になることと思います。なにせまともに数字で書いたら

220,000,000,000円

ですよ。えらいこっちゃ。

だけどねえ、金を貸しただけでそこまで求めるってのはどんなもんなんでしょうか。円借款ってのは要するに国と国との間での金の貸し借りです。つまり低利ではありますがきっちり金利まで取ってるんですね。記事中にも『ローンである円借款にまで「感謝」を求めるのはやりすぎとの指摘は援助関係者の間にもある。』とありまして、私はこっちの方が普通の感覚のような気がします。取るものは取っておいた上に感謝をカタチであらわせと要求する、なんてのは典型的な「ヤなやつ」のすることじゃないですか。外交ってのは多くの事情が複雑に絡み合ってるんでしょうから、そこにはさまざまな思惑があることと思います。それにしてもこれはあまりに下品じゃないですかね。成金趣味的なニオイとでも言いましょうか。

こういうのをきっと豊かさと貧しさが同居してる状態と呼ぶんでしょう。そういう例はどこの国にも多かれ少なかれあるんでしょうが、国会議員からしてコレかぁ、と思わざるをえない話だなと感じました。


そういえば『政治は金持ちがやるもんだ』って台詞をどこかで聞いた覚えがあるなぁ。確か金策にかけずりまわらなければいけないような人間には国家を論ずる余裕などないって意味だったと思います。ちょっと事情は違いますけど、なんとなく連想してしまったものでつい。うーん、どこで見たんだったかな、この台詞。