ゆけゆけ Jack

法輪功たたえる画像流れる 中国でテレビジャック(asahi.com)

ここでいう中国ってのはChinaのことです。あしからず。

日本での電波利用に関しては総務省が監督省庁ということになってまして、電波利用保護旬間なんてキャンペーンを張ってたりします。しかしTVの電波をのっとってしまうとなると保護どころの騒ぎではありません。まったくやることが大胆です。それにしても『旬間』なんて言葉は始めて見ました。『しゅんかん』で変換をかけてもIME2002では歯が立ちません。

それはともかく。

なにかをのっとると『〜ジャック』と言われる。なんだかこれが当たり前のようになってます。ハイジャックシージャックバスジャック電波ジャックその他もろもろ。なんだか『ジャック』という単語には『のっとる』という意味があるように思えてしまいますね。実はジャックは悪いヤツなのではないか。『ジャックと豆の木』で、主人公のジャックは都合3度も盗みを働きます。これじゃ窃盗の常習犯と思われても仕方がない。

しかしどれだけ調べたところで、ジャック(jack)なる単語にそんな意味があるという情報にはたどりつきません。『ハイジャック 語源』というキーワードで検索をかけてみるとその理由がわかります。もともとは『Hi,Jack !』という呼びかけだったのですね。Jackには男性の名前というだけでなく、見知らぬ人への呼びかけというような意味もあります。で、『hijack』はのっとること一般をさして言うらしい。とすると先ほどあげたもろもろのジャックは、シージャック以下みな誤用であるということになります。典型的なJapanese English__ジャパングリッシュってやつですね。

とはいうものの、ジャックという名前にはこのほかにも暗い印象を与えるための代表選手__Jack the Ripper切り裂きジャックがいます。1888年、霧のロンドンで娼婦5人を惨殺し、事件は結局迷宮入り。これでどうやってJackに明るく陽気なナイスガイをいうイメージを抱けというのか。なんだか世界中のJackがかわいそうになってしまいます。

すでに『〜ジャック』という言葉は独り歩きを始めてしまい、いまさら報道機関が『これからはすべて『のっとり』という言葉を使うようにします』と宣言することはないような気がします。日常生活にも英語がどんどん使われるようになってきていますが、その中に紛れ込んだ和製英語を見つけ出すのは容易なことではないでしょう。願わくはこの国際化の時代、知ったかぶりして半可な英語を鼻の穴膨らませて吹聴し、大恥かいてしまうことのありませんように。

なんか紹介した記事とはぜんぜん違う話になってしまった(-_-;)。