芸のないやり取り

よくある失言騒動っちゃそれまでの話です。議員が韓国、中国、ベトナムの民族衣装を「どこか、キャバレーに来たみたいだった」と評せば教組が「民族固有の文化を揶揄(やゆ)する発言で見過ごせない」と言う。でもって結局は「八木議員は「言葉が足りず、誤解を招いた。反省している」とし、議事録などから問題部分の削除などを申し出る意向」なんだそうで。

なんとも芸のないやりとりだなあ、と思います。ってか「言葉が足りない」ってピントずれすぎ。いや、こんなところに芸を要求してもどうにもならんのですが、これじゃ面白くもなんともない。民族衣装をキャバレーにたとえてしまうのは、ひとえに議員のファッション感覚が貧困であることの現れです。ちょっと大げさにこれを言い直してみれば、「日本のキモノは芸者バーの衣装のようだ」としてみるとわかりやすいかもしれない。これは順番が逆ですね。

もちろんキャバレーの衣装が各国の民族衣装をモトにしてるってことはないでしょう。でも民族衣装がキャバレーの衣装をモトにしてるってことはありえないってのは誰にでもわかることです。どうせ攻撃するならそのへんをツかなきゃ。せめて「ほう、議員は普段そういうところに出入りされてるんですか。だからああいう発言が出てくるんですね」くらいは言っていただかないと。これにしたって単なるイヤミですから点数は低いんですけど、どーも議員の発言がダメすぎて再反論ができないあたりがツラいですな。

いやー、なんかこういうやりとりを見てると、議論の仕方がまるで洗練されてないことにがっかりしちまうんですよ。面白おかしくやれって気はさらさらないですけど、せめて素人が見て「おお、こういう攻(口)撃の仕方もあるのか」くらいは思わせていただきたい。日本の外交が欧米にまるきりかなわないのは、このへんにも関係ある話だと思いますよ。


 でもって、これは自分の書く文章にも言えるよな、と思います。自省しなさい。