Next Office


Offece2003のベータテストが始まったという記事です。


バージョンアップのたびごとに「もうお腹いっぱい」の声が聞こえるMicrosoft Officeですが、その傾向はおそらく今回も変わらないでしょう。各々の機能の部ラッシュアップは進んでいるものの、これといった目玉には欠ける。そんな印象はぬぐえません。XML対応がちょっと騒がれたりしましたけど、それがどれほどのものかというとちょっとわかりにくい。

おそらくOffeceアプリケーションは「どのようにデータを作るか」という段階を越えたのでしょう。個々のユーザーが求める機能の最大公約数的な部分の大半はすでに実現されてしまったということです。しかしデータ作成の段階を過ぎたとすれば、その次の段階としての「何か」があるはず。それは一体どういうものなんでしょう。

しばらくの間、その方向性は示されずにいたのではないかと思います。それがユーザーのいう「お腹いっぱい」の声だったんじゃないでしょうか。Officeの新しいバージョンへの以降がなかなか進まなかったのもそのせいかもしれません。


記事を読んで、その「次の段階」なるものが、次期Officeである「Office System」で示されているのではないかという気がしました。具体的にはXMLSharePointを用いたデータのやりとりにそれを感じたわけですが__。これだけじゃなんのことだかさっぱりわかりませんな。MicrosoftのJean Paoli氏が「Office 2003で私たちが重視しているのはデータのやり取りだ。今や、文書とデータの違いはなくなった。ついに私たちはその段階に達した」なんて言ってますけど、文書とデータの違い?データのやりとり?いったいどういうこっちゃ。

私は次期Officeに見られるこれらの機能を「Officeがコラボレーション支援ツールになること」だと捉えてます。しばらく前のMicrosoftカンファレンスに参加したときにSharePointの機能をちらっと見たことがありまして、その際に「あ、これはチーム単位でのデータ共有に便利だな」と感じました。

現在、たとえば「課」のようなチーム単位でのデータ共有はネットワークドライブを使うことが多いと思います。でも、これが本当に使いやすいかというと実はそうでもないんですね。このフォルダの中のどのデータが新しくなったの?あと全体で更新がかかったのは?さっきあの人に言われたファイルってどこよ?などなど、必要最低限だけどねえ、とでも言いますか。それがSharePointでずいんぶん洗練された形で出てきたなと思ったものです。Webブラウザを開けば最近更新のかかったファイルや他のメンバーからのメッセージの有無がすぐわかる。もちろんハイパーリンクが張られていてクリック一発でそのデータに直行もできる。


その後コラボレーションツールとして最近流行りのWikiを使う機会なんてのもありまして、これからはどうもコラボの時代らしいぞ、などと思ったりもしました。WikiはあくまでもHTMLベースですから現時点では表現力が限られてきますけど、Office製品だとその点は強いですね。ただしもちろんメンバー全員がOffice製品を持ってることが前提になるってあたりがかなりハードル高いんですが。ともあれ、これからは作成したデータをどれだけ効率よく使うかにポイントが移る時代ってことなんですね。

ただし、これはあくまで企業がターゲットというシロモノってことになるでしょう。なんせハードルたる価格の高さが半端ではない。サーバだって欲しいところです。もっとも、グループウェアではなく、あくまでも今まで使ってきたツールをそのまま使える製品ということで、時間はかかってもじっくり浸透していくような気がしますけどね。そのあたりの乗り換え需要もおそらくは見込んでいるんでしょう。全社的に使うとはいかないまでも、特定のプロジェクトチームが使うというシナリオも考えられる。

しかしMicrosoftの囲い込み作戦はOS、サーバ、データ作成に加え、データ利用までをも巻き込んでいくんですね。当然といえば当然の戦略ですが、このへんはさすがと言うべきでしょうか。


しかし、いずれにしても個人ユーザーにはまるで関係なさそうな話だよなあ。失礼しました。