開戦間近

いずれもasahi.comの記事です。

アメリカがイラク攻撃をはじめそうな雰囲気になってしまいました。とりあえずイラク大量破壊兵器の廃棄に応じる応じないの話だったんですが、それじゃあアメリカは同じことをしないのか?という単純すぎる発想ではダメなんでしょうか。

それはともかく、日本はアメリカの姿勢に追従するとのことです。で、日本と同じく武力行使に賛成していたイギリスでそれに抗議するという形で閣僚が辞任したという記事。たまたまTVのニュースでも見たんですが、こういう政治家は日本にはいないかなあと思ってしまいました。辞任して拍手を浴びる大臣なんて、少なくとも私は見たことがない。別の意味で喝采を受けることならあるでしょうが。

「閣僚が一致団結」って、一見いいことのように聞こえますが実はそうでもないのかもしれません。少なくとも今のように閉塞感の強い状態では、連帯よりもむしろ侃侃諤諤とした意見をたたかい合わせることによるエネルギーの方が求められているのかもしれない。自らと意見を異なることがあっても、その能力を正当に評価して遇するってのは一つの理想でしょう。そういうことのできるリーダーって、どっかにいませんかね。

そもそも日本にそのような土壌がない、という気もしないではないですけど。

内実はどうあれ、内閣を正面から批判しつつ去った人たちと、「批判を覚悟している」という言葉とともに内閣に残った内務大臣に、彼我の違いを見た思いがします。やはり弁舌をたたかわせることが血肉となってるんだなあ。賛否いずれをとるにせよ、地に足のついていない態度で尊敬を勝ち取ることはできませんし、軽んじられることにすらつながるでしょう。ややもすると、それこそが将来日本の背負わなければならない「痛み」であるのかもしれません。

日本は欧米のよいところを吸収してここまで来たんですから、そのあたりを真摯に学んでいかなければならないんでしょうね。ただ、人間いっぺん痛い思いをしないと成長しないとはよく言います。それはそれで仕方のないことかもしれません。ただ、私はその「痛み」を感じないほどに感覚が麻痺してしまってはいないか、ということの方が気にかかるのです。それはなまじの苦労なんかよりもよっぽど恐ろしいことだと思うのですが、いかがでしょうか。