納豆

最近なんでかよくわからないが納豆嫌いの人と会う機会が多い。そして納豆嫌いな人というのはおおむね攻撃的に納豆を嫌っている。あんなものは人間の食い物じゃない、とかよく言っている。
そのわりに納豆好きの人というのはあまり見かけない。仮にいるとしても、その割合は納豆嫌いに比べれば微々たるものである。アグレッシブに納豆を世界に広めよう、という伝道師的納豆好きに至っては皆無に近い。
だから納豆の好き嫌いについて激論が戦わされる、ということはほとんどない。少なくとも私は見たことがない。納豆はただ一方的に攻撃されるばかりである。腐った豆だ、臭い、ねばねば。
しかしどれだけ文句をいわれても納豆好きは文句をいわない。ただただ曖昧な笑みを浮かべるばかりである。納豆好きは無抵抗主義者なのだろうか?それはわからないが、ただ攻撃されるばかりの納豆というのがたまに不憫になることがある。おいしくて健康にもいいのに、ただ発酵食品で、個性的な香りで、ねばねばなだけで「人間の食い物じゃない」とまで言われてしまうのである。
そういうことを考えながら納豆ご飯を食うと、なに食ってんだかわからくなって困るね、という話。