ベンチマーク

新しいPCを買って最初にするのがベンチマーク……というとなんだか病硬膏な感じがするけれども、そのベンチマークが「ソリティアをクリアしたときに飛んでいくトランプの速度」だったらどうなんだろう。少なくとも身の回りに2名そういうヒトがいた。非数値型ベンチマークというやつである。
もっとも最近のPCではトランプ飛ばしごときで描画速度が落ちるなどということはなく、ベンチマークソフトとしてのソリティアの立場は微妙になりつつあるとのこと。Windows3.1次代より続く、由緒正しいベンチマーク法もいまや風前の灯火。権威失墜の窮地に陥っているというのである。
何でも数値化してわかったつもりになる風潮の現代において、この「ソリティアベンチ」はなんとも風情のある方法ではないか。しかもその効果のほどを自らの目で確かめることが出来る。百聞は一見に如かずを地でゆくというフィジカルさは、バーチャルリアリティが席巻する世の中において実に素晴らしいものであるといえるだろう。そんな「ソリティアベンチ」がその役割を終えてしまうとは、なんとも嘆かわしい。
そこで当日記では、「ソリティア3次元化計画」なるものをここに提唱したい。トランプをポリゴンで表現するのはもちろんのこと、その絵柄についてもテクスチャマッピングなどというヌルい方法には依拠せず、塗料の微妙な盛上がりをもモデリングすることでPCのレンダリング性能を最大限に引き出す作りとする。しかるにめでたくクリアの際にはそのトランプが画面狭しと跳ね回り飛び回り乱稚気騒ぎを繰り広げるのがよい。
ゲームとしては定番がゆえの楽しさがあり、かつ見た目も華やか。あわせてPCの性能を測る指標となりうるという、まさしく一石三鳥のソフトとしてソリティアが生まれ変わるのだ。次期WindowsであるLonghornにおいては、この3次元ソリティアをぜひとも開発、収録していただきたくここに提言するものである。
ダメか。そうか。