悪天

ひどい天気である。
雪だけならさほどでもないのだが、強風と合わさるとずいぶんなことになるものだ。細かい雪はさながら氷の粒のごとくで顔にばしばし当たって痛い。巻き上げられた雪は地吹雪になり、白煙と化して視界を閉ざす。ひどいときには10m先も見えにくいほどである。すくなくともひとつ先の信号はとても頼りなく、目を凝らさないとそれと気づかないほどだ。家からバス停まで、5分とない距離なのだが、遭難するんじゃないかと思った。
こういうときには北海道に生まれたことを呪いたくもなろうというものだが、まあ、一冬に一度はこういうこともある。恨もうが呪おうが、はたまた牛に引かれて善光寺に参ろうが、天気には勝てないのだからこれはもう仕方がないことなのだとあきらめるよりほかにはない。
でもできれば仕事なんかうっちゃって家でごろごろしてたかったよ!こういう日に限って上司が休みなんかとりやがられるもんだからまったくもう。