置くだけ

トイレ掃除は面倒くさいので、少しでも回数を減らしたいと思いました。しかし思っただけではどうにもならないので、ブルーレットを買ってきたのです。これで少しはヨゴレがつきにくくなって、掃除をする回数が減るといい。しかしパッケージを開けて設置しようと思ったところでふと気が付きました。なにかがおかしい。どうみてもトイレに設置できなさそうな形状をしているのです。なにか特殊な手順が必要なのだろうか、と説明書きがあるパッケージを再び手に取ります。
つめかえ用とか書いてあるのは気のせいですか。
とりあえず気のせいではなかったので設置できませんでした。職場でそのことを話したらすごく笑われましたけれども、そんなにおかしいことなんだろうか。つめかえ用も普通のヤツも見た目は似てるじゃないか。設置用の部品なんかブルーレットにおいてはオマケのようなもんである。とりあえずボトルがあればなんとかなりそうだとか思わんか?思わないですか。まあ思いますまいな。
間違ったことに対する言い訳をどれだけ考えても、つめかえ用ボトルだけで設置できるようにはなりませんでした。3日待てば足が生えたりしないだろうかと思ってもみましたけれども、1週間してもなにも起きない。つめかえ用ボトルはいつまでたってもつめかえ用ボトルのまま、パッケージから取り出された時と同じ姿でじっとこちらを見ています。うーむ。奇跡というのはそうそう起きないから奇跡と呼ぶのだな。ひとつ賢くなった気がします。
奇跡を待っていてもラチが開かなさそうなので、しかたなく普通のヤツを買ってきました。間違えてつめかえ用を買ってしまった人のために設置用の部品だけ売ってはいないだろうか、などと売場を隅から隅まで見てもそんなものはありません。こんなマヌケ野郎に救済の手を差し伸べるほどメーカーもヒマではないらしい。まあつめかえ用はどうせ後から必要になるだろうし、いいか。今度は待つべき奇跡もないので、さっさと設置することにします。
そんなわけで今、私の部屋のトイレは無闇やたらとハミガキの香りで満たされているわけです。なんでもミントの香りなんだそうですが、私の鼻にはハミガキにしか感じられません。トイレに入るたびにハミガキしているような気分になります。そしてご存知の通り、部屋にはつめかえ用のボトルがもうひとつ残っている。
誰かなんとかしやがれ。