Windowsサーバ、シェアトップ奪取の秘密

1週間くらい前の記事になります。へー。この記事は「サーバーOSに求められるもの[晴]晴れの日もある)」経由で知ったのですが、こちらではリモート管理と回線速度の関係から、業務用サーバにするならCUIで色々操作の可能なUnixを選ぶ、みたいな話をされているようですね。また、はてなブックマークのコメントでは「統計値が売り上げであること→Windowsが高いだけ?」という指摘もありました。



で、そのへんを踏まえてちょっと思いついたのは、リモート管理を必要としない小規模な事業所でも業務用サーバを導入するようになってきたんじゃないか、という可能性です。今さらIT化なんていうと笑われそうですが、実際問題として中小、零細企業においてはまだまだ業務用サーバを導入していないところも多いのではないかという気がするのです。いわゆる3ちゃん経営(じいちゃん、ばあちゃん、母ちゃん)みたいなところはともかくとして、従業員が10〜30人くらいの企業ですね。
そういうところでは技術者ばりに各種OSをバリバリに使いこなす人がいない場合がほとんどでしょうし、それならサーバってなんですかソレ?となっても不思議ではありません。伝票は昔ながらに手で切るし、帳簿だって手書き。電子商取引ってのは出会い系サイトのことです。会社にある一番の情報機器は電話かFAXだよ!というノリは、いまだに根強いんじゃないでしょうか。私の両親はついこないだまで自営してましたけど、お客さんへの案内状はワープロ専用機で作ってましたよ。顧客とかいう言葉がカッコよすぎておこがましいほどです。
まあさらに内実をバラしてしまうと、これは3ちゃんどころか2ちゃん(父ちゃん母ちゃん)経営だったので、そこから妄想を広げるのはかなり無理があります。つーかサーバ以前にPCさえ使ってないじゃないかよ、とか言われてしまうとそれまでだったりもするのです。しかし所詮ヨタ話ということでそこは無視して話を進めるのです(←ひどい)。
で、こういう事情を考えてみると、サーバなんてなくても平気、ってのはわからない話じゃないですよね。業務効率化?今まで通りのやり方でつつがなくできているのに、なんでわざわざサーバなどという面倒くさそうなモノを使わねばならんのですか。サーバを使いこなすために要する時間があるならウチの製品を一個でも売ってこい、とか言われそうです。営業に来たベンダーさんには対しては、そんなワケのわからない話をするくらいならウチの製品を100個買ってみちゃどうだいそしたら考えてやらんでもないぞ、とか逆ネジを食らわせるのです。営業マンは裸足で逃げ帰ります。靴下くらい履けばいいのに。
ところが、そうは言いつつもWebやらメールやらはどんどこ普及してしまいました。いまや田舎のおじいちゃんと携帯電話でメール交換したって不思議でもなんでもないご時世です。加えてある程度以上の企業にはあらかた売り込んでしまい、これからは中小企業に売り込むのだ!と各ベンダーさんは鼻息を荒くしています。そうしないと売り上げが上がらないので色々マズいのです。多分。
そんなわけで巷にはハッパをかけられた営業マンが跳梁跋扈します。社長さんたちの逆ネジ攻勢にもめげずに日参してはセールストーク雨あられ。ファイルサーバでナレッジマネジメントなPDF化によるペーパーレスカンパニーのソリューションでウハウハですよ!なにやらサーバなるものを導入すると売り上げが5倍に上がりそうな気がしてきます。ほんじゃ一丁あいてぃ化でもしてみようか、と考える従業員10人〜30人規模の社長さん。そんな会社がじわじわ増えてきているんじゃないでしょうか。
ダマされてるよ!早く逃げて!とアドバイスしたくなってきますけどね。

で、そういうところでサーバを導入しようとすると、おそらくUnixという選択肢はないだろうなあ、と思うのです。クライアントOSではやっぱりWindowsが圧倒的に多いでしょうから、おなじみのUIで操作できるWindowsサーバには心理的抵抗も少なくなりそうです。こういう企業ではリモート管理も必要ありません。だって支社どころか営業所だってないんだもの。歩いて3歩でサーバにたどり着けるというのに「リモートで管理したい!」とか言ってしまった日には、すかさず「最近の若いモンは」とかネチネチやられるに違いありません。
世の中にある企業の99%は中小企業*1です。さらに言えば日本にある企業の総数は約153万企業で、そのうちの9割は従業員が30人以下だったりもします。加えて言えば全企業のうち単一事業所である企業は約8割5分で、30人以下かつ単一事業所である企業と条件を課しても全企業の8割が該当します*2。数字を羅列したので皆さん思考停止してください。これから結論を述べますし。
そういう企業では、先にあげたような理由でUnixよりもWindowsの方が業務用サーバとして導入されやすいということが考えられます。そして森首相のイット革命から5年が経過し、IT普及の最終局面に差し掛かろうとしている今、いよいよ中小・零細企業に業務用サーバ売り込みの職種がのびているのであれば、Windowサーバの売り上げは今後もますます伸びていってしまうのかもしれません。
しかし元々のIDCの統計値は、全世界におけるサーバのシェアなのでした。ぎゃふん。さすがに世界中の企業分布なんて調べてられませんよ!というわけでテキトーなオチがつきましたのでこのへんで。ご静聴ありがとうございました。