メタファを超えて

MDI、SDIという観点から見たタブの功罪について。
実際にはタブブラウザを使ってますけど、個人的にはタブというUIはあまり好きじゃありません。そのあたりの話はもうかなり前に「タブブラウザとMDI/SDI」って記事を書いたことがあるんですが、そのときに紹介した「窓立て」のようなUIはWindows Vistaで「Windows Aeroによる Flip 3D(Windows Vistaに関するプレスリリースMicrosoft)」として実現されるようです。進むべきはこっちの方がいいなあという気がするですよ。いつまでたっても2次元じゃないだろう、と。
また、タブ化については、記事中で

ところがタブは、悲しいほどにタブであり、リアル書物の悪いところをそのまま受け継いでしまっている。

と書かれてるんですが、これはPCが現実のメタファである限り常について回るんじゃないかなー、という気がします。いいとこどりだけってのはなかなか難しいもので、どうしても欠点の方も受け継いでしまう。これは模倣という手段を採っている以上は避けられないのではないかと思うのです。
これ、なんとかならないかなーと思うんですけどね。PCが現実世界の制約に縛られてるってのもなんだかなあという気がします。もちろん現実世界では一瞬でデータのコピーができるわけじゃないですし、PCを使うことによる利点ってのはたくさんあるですけどね。
ただ、PCって便利なところはすげー便利なんですけど、不便なところはもう頑ななまでに不便というか、なんでこんなことに!?ってーのが多いような印象が。結局のところはディスプレイという壁のむこう側にあるものを、マウスとキーボードという(自分の身体に比べれば)非常に制約された道具を使ういう、二重に間接的な方法で操作しているがゆえなのかもしれないですけどね。初めてPCをさわったその瞬間から高速タイピングをものにし、マウスポインタを数ピクセルという誤差内で意のままに操ることができる人って、そんなにいないはずです。
まあそこをなんとかするためにUIデザインってものがこの世に存在しているのではありますけれども。ただ、もちろんどれだけ素晴らしいUIだろうとも、あまり前衛的すぎてしまうと誰もついて来れないでしょうし、そもそも人間の想像力という限界があるからなあ。そんなに一足飛びに進むってことはないのかも、とか思います。PCがいつしかベゼルの壁を吹き飛ばし、マウスやキーボードからも解放される日は果てして来るんだろうか。