Google日本語入力雑感

Google日本語入力、ぼちぼち使っております。どうしても常用しているATOKと比べてどう、って話になるんですけど、まあ及ばずながらもそこそこは使えるかなあ、という感じでしょうか。どうのこうの言ってもやっぱり無料ってのはヒキが強いですけど。
ところで、ちょっとその手の雑談をする機会がありまして、Google日本語入力がシェアをどんどん奪取していったら、しまいにはATOKの市場ってやつは完全にゼロになっちゃうじゃないか、という話になりました。その場合、開発者や、ひいてはジャストシステム全体に相当する労働市場も失われるんじゃないの?無料といって喜ぶのはいいけど、それで本当にいいの?という感じで展開していきました。
そこから唐突にIE6の話が出てきまして、競合がいなくなるとぴたっと進化が止まっちゃうんだよねー、などということになりました。うーん確かにそんなこともありましたねえ。しばらくは右も左もIEコンポーネントタブブラウザな状況だった、ってのはまだ記憶に新しいところです。そうなるとやっぱり困るよなあ、などといいつつ、第一Googleだって広告収入で間接的に消費者からお金を取ってるわけだし、その昼飯は本当にタダなのかね?というところに話は進んでいきました。
その場ではなるほどねー、なんて思ったんですが、今からして思えばそこまで敷衍しちゃうと少々強引かも、という気もしないではありません。労働市場という面で見るとGoogle日本語入力は同業他社とのシェア争いなので、流動性はそれなりに確保されそうな気もします。日本語入力システムの市場規模ってのはもうちょっとややこしそうですが、消費者がそこにお金を支払うことをよしとせず、無料のもので足れりとしてしまうのであればそれはそれで仕方ないのかもしれません。そこで浮いたお金を他で使いつつ、結局は広告費に乗って最終的にGoogleの懐に入っていくのであれば、いささかややこしいながらもIT業界全体のパイという意味ではイーブンなのかもしれない。
とはいえその辺の小難しい話を抜きにしても、個人的にはジャストさんにもうちょっと頑張っていただきたいところですけどね。なんだかんだ言ったところで文脈を読んでの変換というのはATOKに一日の長がありますし、そのノウハウはぜひ守っていただきたいものです。加えて日本語入力システムなのに日本の企業が一社もいないというのもどうか、というエモーショナルな理由もあったりする。
まあ今回の件で辞書の更新が弱みになるというのが結構はっきりしたと思うので、そこの対応をしっかりしてくれるといいなーというところでしょうか。ぶっちゃけATOKの進化もここ最近あまり劇的なものはなかったかなあという印象ですし。今回のGoogle日本語入力の登場で強力な競争相手ができたわけですし、ここは両者が刺激しあって進化してくれるのが結局は一番いいんじゃないかと思います。いや、もちろんMS-IMEの大変身でもいいんですけどね。考えてみりゃGoogle日本語入力の目下のライバルは同じく無料でしかもOS同梱のMS-IMEでしょうし。
えーと、そういえば百度のBaidu Typeなんてのもあったような……気がしますが……うーん。