年間トップ10

国内における年間ウイルス被害ランキングがシマンテックから発表されています。

  1. W32.Badtrans.B@mm(バッドトランス)
  2. W95.Hybris.Worm(ハイブリス)
  3. W32.Aliz.Worm(アリズ)
  4. W95.MTX(マトリックス
  5. W32.Sircam.Worm@mm(サーカム)
  6. W32.Nimda.A@mm(ニムダ)
  7. W32.CodeRed(コードレッド)
  8. W32.Magistr.24876@mm(マジスター)
  9. W32.Magistr.39921@mm(マジスター)
  10. VBS.Haptime.A@mm(ハップタイム)

と、いうわけで下半期になってから出てきたBadtrans.Bがトップに立っています。これは期間が短いということを考えると、ある意味意外ですねー。しかしそのハンデをもろともせずにトップに立つことができたのには当然わけがあります。電子メールの添付ファイルとしてだけでなく、IEセキュリティホールをついてWebページ/メールを閲覧しただけで感染することに加え、同じタイプであるNimdaよりも高い繁殖力を持っていたところが勝因でしょう。……いくらなんでも勝因はマズいか。

他にも上位の顔ぶれはまさしく錚々たるものとなっています。誰しも一度は聞いたことがあるはずのビッグネームがずらり。なかには亜種も含めて圏内に2つも送り込んでくるMagistrのようなつわものまでいる始末。亜種を次々と送り込むというのはもはや当たり前とさえいえるほどの手法になってしまいましたが、ワクチンベンダーのすばやい対応をかいくぐるために、この傾向は今年も続くものと思われます。

そんな中でウイルスのタイプを見てみますと、やはり昨年大ブレイクしたプレビューしただけで感染するタイプが予想通りの強さを発揮していますね。「怪しい添付ファイルは絶対に開かないこと」という意識が広くいきわたった現状では、やはり旧来のトロイの木馬型は苦戦を強いられているようです。Sircamのように一工夫も二工夫もして蔓延していくのは、むしろ例外のような状況になっていくでしょう。10位にランクインしたHaptimeは、まだまだマクロウイルスだって死んじゃいないぜということを思い出させてくれます。

このようにして見ていきますと、上位に食い込んでいるウイルスの多くがMicrosoft製品に存在するセキュリティホールをついていることに気がつくかと思います。Internet Explorerしかり、IISしかり。特にWindowsXPはまだ発売されたばかり。初物にはバグだってつきものですからねえ。
 とにかくウイルスチェッカを入れてパターンアップデートをしておくだけでなく、いかにしてセキュリティホールに関する情報をキャッチし、パッチを適用するか。そういった意味では、今までよりもさらに一歩進んだ対策がユーザにより強く求められる一年になることは間違いないでしょう。

と、誰でも思いつくような結論に達したところでお時間となってしまいました。また来年の同じ時期に会えるといいなーと思いつつ、このへんでお別れしたいと思います。ではでは。