IntelliPoint(IP) 5.2

出たそうな。発売日に買って以来、ずーっと気にしてきたあの点は改良されているだろうか。なにせあまりにも気になって仕方がないので、長たらしいレビューを書いたり、使うのを一時やめちまったりしていたのである。どのような変化が加えられているのか、気にせずにはいられない。5.1はいったいどこに行ってしまったのですか、というのと同じくらい気になる。
では一体なにをそんなに気にしているのか。要は拡張キーに割り振る機能について

  • アプリケーションごとの設定ができるのか
  • キーボードショートカットを割り当てることができるのか

この2点に尽きる。他にはなにもない。……ということでさっそくインストールしてみることに。Windows XP(Pentium4 3.0GHz/512MB memory) + Wireless Intellimouse Explorer 2.0という環境で、今のところ問題なく使えている。ちなみに以下は画像がデカくて少々見づらい。なんかいろいろ試してみたけどウマくレイアウトできなかったのでそこのところは勘弁してください。
(8.14:画像ファイルをリサイズした。面倒くさかった。しかし元サイズへのリンクをうまく張れない。Wikiスタイル+imageプラグインであまり凝ったことはやるなということだろうか。ついでに文章も若干修正。画像についてはしかたないので元サイズの画像を貼り付けた(だけ)のページへのリンクを張っておきます。持ち帰るなりなんなに好きに使ってください。ついでに文章も若干修正。)

インストール手順

インストール手順については特段迷うところはないと思うが、一応参考までに。ちなみにIP5.0からの設定は引き継がれるようになっている。また、IP5.2を「プログラム(アプリケーション)の追加と削除」からアンインストールすると、マウスドライバは標準のものに戻ってしまうが、再度インストールしなおすと以前使用したときの設定がよみがえったりする。デフォルト設定にもどすのは簡単にできるのでこれはありがたいといえばありがたいかも。
#{{image 11, 'セットアップの開始', nil, [350,263]}}インストーラが起動すると紅もまぶしい画面が立ち上がる。5.2というバージョン情報も赤文字で表示されているが、これで色盲の人は大丈夫なんだろうか。明度が違うから大丈夫なのか?
#{{image 12, '使用許諾契約および品質保証規定', nil, [350,263]}}「同意する」にチェックをつけると「次へ」が選択可能になる。最近はこういうインストーラが多いが、だからといって使用許諾契約がちゃんと読まれていると思ったら大間違いである。ただしいざなにかあったときには、ユーザーが一手間かけている分不利になることであろう。なかなか侮りがたい。
#{{image 13, '機種の選択', nil, [350,263]}}IP5.2対応製品がずいぶんたくさんあるものだと感嘆するところ。思う存分驚きましょう。まさか自分の使っているマウスがどれなのかわからないなんてことはないだろうね。
#{{image 14, 'インストール画面', nil, [350,263]}}インストールが始まった。近所迷惑にならない程度の声量で一曲歌おう。歌い終わるころにインストールが終わっているといいですね。
#{{image 15, 'インストール完了画面', nil, [350,263]}}特に何もいうことはない。しいて言えばIP5.0ではこのあたりでユーザー登録を薦めるメッセージがあったような記憶があるのだが、私の記憶違いかもしれないのであまり気にしないように。使用前にヘルプを見たいという==けったい==慎重な方はどうぞ。
#{{image 16, '画像の説明', nil, [350,138]}}PCの再起動を促す画面が出る。ちなみに再起動せずにIP5.2を起動してさっそく設定してみようというせっかちさんはエラー画面を拝むハメになるであろう。しかしエラーが出てもIP5.2はちゃんと起動する。私は恐ろしくてその先まで進むことはしなかったので、それでちゃんと設定が保存されるのか、なにか破滅的な問題は発生しないのかについては知らない。再起動するまでがインストールなのです。
で、(再起動込みで)インストールが終わったらさっそくIP5.2を起動してみる。

細かい設定が可能になったIP5.2

結論からいうと、上にあげた2点はいずれもIP5.2において使用可能になっていた。ばんざーい。これで心置きなくIntellimouse Explorer(IME) 2.0をメインにすえることができるってもんです。では、せっかくなので機能についてちまちまと調べてみることにしよう。

  • {{image 0, 'ボタンの割り当て', nil, [350,280]}}ダイアログ下部に新しく「プログラム特有の割り当てを有効にする」チェックボックスが出現。これを使うと、アプリケーションごとに各ボタンの動作を変更することができる。IP4.1にあった機能なののだが、IP5.0で消えてしまっていた。IP4.1はIME2.0に対応していなかったので、IMEを購入した当時は大層がっかりしたものです。それが復活したんですよ!わーいわーい。もうこれだけで満足です。
  • {{image 1, '設定可能な機能', nil, [350,310]}}設定可能な機能は図のとおりずいぶんたくさんある。数えてみると全部で30種類。IP5.0とくらべると10種類増えた。追加されたのは
    • 中クリック
    • Alt
    • Ctrl
    • Shift
    • プログラムの終了
    • 拡大
    • 削除
    • 縮小
    • キーボード操作
    • 開始
  • の機能である(IP5.0→5.2で削られた機能はなかった)。この中では「プログラムの終了」と「閉じる」が若干ややこしいだろうか。IP5.0にも「閉じる」機能は存在していたのだが、この機能ではプログラムそのものが終了せず、単に開いている文書を閉じる動作しか行われないアプリケーションがあるという問題があった。それに対してこの「プログラムを閉じる」機能であるが、実際に試してみた範囲においては、どのアプリケーションにおいてもプログラムそのものを終了させてくれた。なお「閉じる」で終了させることのできるアプリケーションについては、「プログラムの終了」でも問題なく終了させることが可能だった。
  • {{image 18, '「実行」機能の設定', nil, [350,244]}}「開始」機能は図のようなダイアログで設定を行う。説明文にあるように、特定の実行ファイルやURLショートカット、ファイルなどを直接実行させる機能となっている。それにしてもそこまで頻繁に、一体なにを実行しようというのか。あやしい。
  • {{image 17, '「キーボード操作」の設定', nil, [350,222]}}「キーボード操作」の設定画面がこちら。ここでキーを適当に押すと、「キーの組み合わせ」欄に「Ctrl +」などのようにそのキーの名前が表示される。わざわざ「c、r、t、l、半角スペース……」などと手で一文字ずつ打たなければならないわけではない。
  • ちなみに「実行」と「キーボード操作」には機能名の後ろに「...」と書かれているが、これはそれを選択しただけでは終了せず、ユーザーがさらになんらかの設定を行う必要がある場合に表記される。Microsoftのデザインガイドラインかなにかにその旨基準があったはずだが、残念ながら元ネタがたどれない。Windows3.1時代からあった決まりだったような気がするのだけれども、ご存知の方は教えてください。
  • {{image 7, 'プログラム特有の設定', nil, [350,228]}}余談はさておいて、(私にとっての)今回の目玉機能であるアプリケーションごとの設定を行ってみる。設定はこのようなダイアログで行うのだが、初期状態では当然なにも設定されていない。「追加」ボタンを押して、お目当てのアプリケーションを選択する。
  • {{image 8, 'アプリケーションの選択', nil, [350,206]}}「追加」ボタンを押すと、プログラムを選択するダイアログが開く。ファイルを開く場合などと同じダイアログなので、特に説明は不要だろう。今回は秀丸を選択したが、私はSDIアプリケーションとMDIアプリケーションで動作を区別することが多い。どっちのアプリケーションを多く使っているかがポイントである。
  • {{image 9, 'アプリケーションごとに設定可能な機能', nil, [350,327]}}設定可能な機能は図のとおり。全体設定のものと同じである。

まとめ 〜IP4.1が恋しい人への福音〜

というわけで、拡張ボタンの機能設定についてを中心に説明させていただいた。とはいえそれだけでもけっこう説明項目が多くて最後の方は面倒になってしまいました。「なんか進むにつれて説明がおざなりになってってないか?」とか思った方もいるかもしれない。だが、そこにあえて気づかぬフリをするというのがオトナである。私はオトナな人が大好きです。
この他にももちろん設定項目はあるが、見たところおおむねIP5.0と変わったところはないようである。ただし一点だけ、スクロールの速度設定において「速度のテスト」という項目が削られていた。謎だ。私はあまり水平スクロールは使わないのだが、アレはアプリケーションによって結構速度に差があったというウワサを聞いたことがある。それならIPで速度のテストをしたところで無駄じゃん、とかIPの開発チームが考えたのであろうか。興味はつきないが、わざわざ確かめてみようとは思わない話でもある。
なんだかんだ言ったところで、IP5.2によって私が望んでいた機能の復活は果たされた。実にめでたいことである。思うに、IP4.1に存在していた「プログラム特有の割り当てを有効にする」機能の復活要望が少なからずあったのではないだろうか。そこまでピンポイントではなくとも、IP5.2において充実が図られたのがおおむね拡張機能であったことを考えると、IP4.1からIP5.0への移行で大幅に設定可能な機能が減じたことに対する不満は少なからずあったのに違いない。
単純に機能数で比較すると、IP4.1:45機能、IP5.0:20機能、IP5.2:30機能である。必要な機能は復活させつつ、不必要な機能は削ったままにした結果がIP5.2なのだろうというのはいささか褒めすぎだろうか。なにせ散々ぐちぐち言っていた機能が復活したので浮かれているヤツのいうことだから信用ならない。
まあ総じて言えば、IP4.1が恋しいけれどもチルトでぬるん(謎)なホイールは手放したくない……という人はさっさとIP5.2をインストールせよ、とは言えるだろう。やー、発売からはや10ヶ月。待ってた甲斐があったってもんです。