秀丸エディタハンドブック

Amazonで色々買ったついでに注文したのだが、ぱらぱら読んでみるとけっこう面白いかも、という感じ。テキストエディタの解説本なんて、いったいどんなことが書いてあるのやら……と思ったのだが、検索・置換とマクロに特化したつくりになっている。しかも検索・置換については正規表現のオンパレード。なるほど確かに秀丸の特徴ってのは正規表現がバリバリに使えるということ、そして強力なマクロ機能にあると言うことはできるだろう。納得である。
一般事務な部署に来てもう結構経つが、「フツーの人」の仕事を見るにつけ正規表現やマクロが使えると随分ラクになるだろうに、と思うことは多い。そもそも簡単な文書作成にまで、すべてワープロを使うこともあるまい。
とはいえ正規表現ってのはなにせ見た目がよくない。ちょっと簡単なものを書いただけでも「フツーの人」をおののかせるには充分である。なにせコマンドプロンプトで使えるワイルドカードを理解させるのにも一苦労なのだから、一言で「使えるとラクなのに」と言ったところで、これがなかなかの難事であることは想像に難くない。一大事業とさえ言ってもいいかもしれない。
これがマクロとなるともっと大変なことになろう。もはやプロジェクトXレベルであるといっても過言ではない。せめてキー操作を記憶させる程度のマクロなら……と思ったところで話は大して変わらないから恐ろしい話である。今までExcelなどで何度か実例を見せたことはあるのだが、マトモな反応が返ってきた試しはほとんどない。
どうやら「フツーの人」にとって、PCによる自動化というのはハナから組み込まれている機能のみを指すらしいのである。自らの手による自動化というのはハナから眼中にない。そういうのはプログラマとかいう謎な人が、宇宙語のように理解不能プログラミング言語を操って行うものだと信じているようなのだ。そんな彼らは、プログラマを尊敬と畏れの目を持って迎え入れる。魔法使いかシャーマンみたいなもんだろうか。なにせ私のようなへっぽこスクリプト野郎でさえそんな目で見られるのだから恐れ入る。
しかし魔法使いは最初から魔法使いだったわけではない。まあ中には生まれたときからタッチタイプをしていたような人もいないではないが、そんな人は一般事務員になんかならないから除外してもよかろう。修行によって魔法使いになることだって可能なのだ。へっぽこスクリプト野郎程度であればそんなに難しい話ではない。秀丸での正規表現やマクロ機能はその入り口としては悪くないし、この本はその一助になるのかもしれない……と書こうと思ったのだが。
「フツーの人」は4,000円もかけてテキストエディタなんて買わないよなあ。
検索・置換の実例がミョーにプログラムを書く人向けだなあと思っていたのだが、そういうことか。そういうことだったのか。うーむ。