海外通販で情報漏洩

Amazonマーケットプレイスで古本を買いました。私はことさらにAmazonを使っているせいもあって、これはとても便利なサービスだと思うのです。普段と同じインターフェイスで新品も中古も探せるというのはとてもラクだ。
もっともAmazonの検索制度はイマイチな部分があって、ときとして「昨日見つけたあの商品が今日は見つからない!キー!」とか、かなりイライラさせられることもあります。けれどもそんなときは気合いと根性でなんとか解決。かくして我々の仲は破綻に至ることなく、折り合いを付けていくことができているのであります。
Amazon登場以前の古本探しはスーパー源氏を使ってましたし、書籍以外では楽天も利用することがあります。幸いこれまでなんのトラブルも経験せずにきてまして、まったくもってありがたいことこの上ない。
加えて、こういうところに展開しているショップってマメだよなあ、と利用するごとに感じます。サービスに対しての評価が下されることもあり、そこをおろそかにしていては生き残りも覚束ないせいでしょうか、注文を受けたらメール、出荷をしたらまたメール、その後2〜3日したら到着伺い兼評価のお願いのメールが届くのです。商品もエアキャップなどで丁寧に包装されていてスキがありません。大したものだ。やはり競争というのは大事なんだなあと思わせられます。
とまあやたら感心ばかりしてますが、というのもマーケットプレイススーパー源氏楽天のようなネット上のショッピングモールに参加していないとあるショップでダンス用シューズを購入したときに、こんなことがあったからなのです。
私がハマっているアイリッシュダンスというのは国内では愛好者がすげー少なく、練習に必要なシューズも売っていないというのが実状です。いきおい購入は海外のショップからネット通販で……ということになるのですが、事件はそこで起こりました。
その時はたまたま私より一月くらい前に、同じクラスに通っている方が同じようにシューズの注文をしていたそうなのです。で、在庫がなかったとかで納品がずいぶん遅れたらしく、品物が届いたのは私が注文した直後。それでいていざ履いてみるとサイズが合わなかったんだとか。
まあ海外のショップではUKサイズでの表記になっているところも多いですし、店によって同じサイズとは言いつつ微妙に差があるのもありがちなことです。その方もまあしょーがねえやと諦めて、交換依頼のメールを出すことにしたそうです。ちなみに最初にその方が注文したのは私と同じサイズだったそうな。で、しばらくしてそのショップからメールが返ってきたのですが、そこにはこんなことが書いてありました。

 日々是良日!ご連絡ありがとう!
 さて、ユーのところに送ったシューズのことだけど、サイズが合わなかったそうでとても残念なことだ!ところがなんと驚くべきことに、ジャポンでキミと同じサイズを注文した人がもう一人いるんだ!wow!
 というわけで、私はキミに提案する!もしよかったら彼のところにキミのシューズを送ってもらえないかと!ユーには我々から別途正しいサイズのシューズを送るから!
 でもって件のJAPにはシューズが届いたら我々にその旨メールをするように伝えておいてくれyo!そうすりゃユーはわざわざアメリカまで靴を送らずに済むし、我々としても送料が節約できて万々歳!それで万事解決ってワケなんだブラザー!これぞまさしくWin-Win関係構築のためのベストソリューション!素晴らしいと思わないかい?ボクはそう思う!Yeah!
 それじゃあすばらしいダンスライフを!Chao!

実際にはもちろんこんなフザけた文面ではありません。が、まあビジネスライクな文面なんて書いていてもつまらないのでそこはさておきます。つーかここに書かれているもう一人のJAPってのは間違いなく私のことなんですけれども、人の知らないところで一体なんということを提案するのであるか。そんなことしたら個人情報が漏れちゃうじゃないか!
とは思いのほか、実のところこの段階ですでに私の個人情報は漏れてしまっていたのでした。なんでかっつーとこのメールの下には私の名前、メールアドレスだけでは飽きたらず荷物を送付する際の住所や連絡先の電話番号まで記載されていたからです。ぎゃあ!
まあ一緒のクラスの方ってことで、個人情報が漏れたところで実害はほとんどないわけではありますが、これがまるっきり知らない人だと思えばいい気持ちはしません。というかちょっとヒドくないですかむしろあんまりではないですかつーかなんてことしやがるこん畜生!
普段は温厚の権化な私ですが、さすがにこれは看過しがたい、ということでつたない英語をひねり出して「本人に何のことわりもなく個人情報を漏らしてんじゃねーぞこの野郎返信よろしくお願いします」なメールを送ってみることにしました。もしかすると担当者がすっとんできて菓子折のひとつでもくれるかもしれません。私は羽田空港で売っている青山チーズケーキ倶楽部が好きなんですが、東京に住んでいると東京土産をもらう機会がなく、かといって自ら買うのもはばかられるために最近とんとご無沙汰です。といいますか羽田に行く機会そのものがほとんどありません。
しかし案に相違して海外から担当者が血相を変えてすっ飛んできたりはしませんでした。メールには返信がありましたけれども

 ご連絡おおきに。お話は承りましてん。
 仰ることは至極ごもっともやとあたしも思いましてん、せやかて電話帳に載ってはるような情報やからええやないですのん?クレジットカードの番号なんかは漏らしとらんわけやし、そない言わへんでもよろしないですか?
 いけず( ̄ε ̄)。

とか書いてあります。むー。あんたの国の事情は知らんが、日本じゃ最近電話帳に個人情報を掲載しない方向で話が進みつつあるやに記憶しておるのだがね!しかしちょっと考えてみれば、そんなことあんたは知らんだろうってことはすぐわかるがね!こいつはケッサクだ!HAHAHA!
まあ、外国の人に日本の個人情報に対する意識の高さを英語でレクチャーするなんて考えてだけでも知恵熱が出そうと言いますか、そもそもこれ以上英語の文章を考えることからしてイヤなので、結局はそこで手打ちにしちゃったですけどね。モノは手に入ったわけだし、実質的な被害もないに等しいわけだし……とは言いつつ、釈然としないものは残るというか、むこうの人は大らかだなあと強く思ったのは確かです。
そういう意味ではやはり海外の通販ってのは油断がなりません。トラブル発生の可能性は業者の国内外にいるを問わず常に存在するわけですが、いざ何かあったときの大変さはずいぶん違う。言語の壁はもちろん、最終的に出るトコ出られるかどうかってのもありますし。
まあ経験豊富な人から見たら何を今さらって話ではあるでしょうけどね。なにごとも自分でやってみなきゃ本当に実感を伴って理解することはできないということなのだなあ、とまるで他人事のように思ってみたりします。どっちにしたって私が必要としているダンス用シューズは海外通販でしか買えないわけで、今さらやめるわけにもいかんのですが。
というわけで、次回はまた別の業者を試してみよう、などと考えていたりする今日この頃なのでした。いや、シューズもメーカーによって結構使い勝手が違ったりするわけでして、やっぱり自分に一番合ったものを使うのが、ほら、ねえ。
つまるところ、まったく全然これっぽっちも懲りるところがないわけなのであります。もうダメだ。