伊豆高原で夕飯

伊豆高原旅行記第二弾。昨日の続きでございます。
初めての土地でご飯を食べるというのは案外難しいものです。いやまあ、食べるだけなら簡単というかコンビニで弁当でも買っておけばよいのですが、できれば美味しいものを頂きたいとなると話が違う。最近はネットがあるからいいですけどね。しかしクチコミ情報とは言ってもどこまで信用できるのか、味覚は人それぞれなだけに難しいのです。
当初はホテルのレストランでいいんじゃないの、程度に考えていましたが、1週間ほど前に予約をしようとしたら既に満席であるとすげなく断られました。ガビン。さすがはハイシーズンです。えいもう駅の近くまで出て行って適当なところでいいじゃん。ダメ幹事はすぐ投げやりになります。しかし同行の方から、やはりそれでは不安であるとの申し出があり、結局はネットで調べてみることに。
そこで選んだのが「二本松」というお店。
他にもいくつか候補はあったのですが、大きな居酒屋のようであったり、今まで食べたこともないような食材(マンボウ)のお店であったりというところが今ひとつ琴線に触れず。居酒屋だったらどこにでもあるし、一泊二日の旅行で唯一の夕食だというのに、そこで冒険をするのはちょっと危険なのではあるまいか。つーかマンボウが食べられるものであることすら知らなかったよ!その点こちらの二本松は家族経営の小さなお店で、ゆっくり落ち着いて食べられるのではないかと思われたのです。
というわけで事前に予約を入れていざ当日、ホテルからタクシーを走らせてみると、車は表通りを外れ、どんどん別荘地の中へと入り込んでいきます。夜もまだ早いというのにあたりは真っ暗。別荘持ちの方々は8月初旬から慌ててバカンスに励んだりはしないものらしい。今では少なくなりつつある水銀灯の光だけが夜の坂道を照らしています。こりゃ自分たちだけじゃ絶対たどり着けないなあ……と思っているうちに店の前に到着。車を降りてみると、こぢんまりとしていてなかなかよさげな雰囲気です。



予約は席だけだったので、まずはメニューから拝見。なにがいいですかねえ、と尋ねてみると、男性だったら八幡野定食(3,800円)がボリュームがあってよいのではとのこと。要は焼き魚+刺身定食というものらしい。まあせっかくだからいっぱい食べますか、ということでそちらを選択。その他に単品で魚の唐揚げも注文してみたりします。
待つことしばし、まずは唐揚げから。小ぶりの魚を一匹丸ごと揚げたものが8匹。今回は四人でお邪魔したので2匹ずつですな。しっかり揚がっているので頭からいけるとのことで、言われるがままにがぶりってみると、さすがに出来たてだけあってウマーです。身にも堅さが全然ありません。こりゃいいや、とか言っているうちにあっという間に平らげてしまいました。もうなくなっちゃったの?まあまだあとも控えてるからなあ。
そしてしばしの間をおいてメインの定食が到着……ってすごい量だ!焼き魚+刺身ってことなんで、まあ普通の定食の8掛けくらいの量が出てくるのかな、と思えばさにあらず。まさしくx2って感じです。ううむちゃんと食べられるかなあ。唐揚げ食べたばっかりだしなあ。
しかしその心配はまるっと杞憂に終わりました。
やー、取れたての刺身も確かに素晴らしいですが、それにもまして衝撃的だったは焼き魚です。タクシーの運転手さんが「焼き魚でも刺身にできるような魚を使うからねえ」と仰ってましたが、まさしくそのとおり。このふわっとした食感は新鮮な魚じゃなきゃ味わえませんよ!塩味は控えめですけど、確かにそれくらいが丁度いい。無闇な味付けはかえって野暮ってもんです。こんな焼き魚は久しぶりだなあ。一言でいうとちょううめー!ファンタスティック焼き魚!
というわけで気が付けば骨格標本だけがあとに残されているのでありました。むろん刺身の皿のほうも、大根のツマだけがかつてそこにあった色とりどりの色彩を忍ばせるばかりとなっております。
いやはやまったく素晴らしい。始めは「3,800円。高いなあ。でもまあせっかくの旅行だからいいや」と思っておりましたが、謹んで訂正いたします。ちっとも高くはありません。まあ一食に約4,000円かけられる機会はそうそうありませんけど、これだけのものが食べられるのであればまったく高くはないですよ!むしろまたお邪魔させていただきたい!

てなわけでこちらの二本松、伊豆高原にお寄りの際にはぜひお立ち寄りになられることをオススメしたいと思います。予約はしていった方がよいですね。時間は1時間半から2時間程度見ておけば、余裕をもってゆっくりできるのではないでしょうか。昼の部もあるようですが、日によっては行列ができることもあるそうで。あと、道は確かにわかりにくいので、初めてであればタクシーを使われるのがよろしいかと思われます。
いやー、それにしてもねえ。あの焼き魚がなあ……むふー(余韻)。