塩の蒸発

マクドナルドで時間をつぶしていたら、隣の男女2人組が楽しそうにお話をしておりました。仲の良さそうなことで結構ですな。と、なにやら冷めたフライドポテトの話題に。

女:冷めると味がなくなるんですよねー。だから塩をふりなおしてレンジでチンするんですけど、ふにゃふにゃしちゃって。
男:あー、それならオーブンでやるのがいいよ。
女:すごいカリカリになりそうですね。フライパンだとどうなんだろ。
男:フライパンはダメだよ。

なんでフライパンだとダメなのかは不明です。そんなに言下に否定されるような致命的欠陥があるというのでしょうか。私はフライパンで軽く炙るのもカリっとした仕上がりが期待できてよいのではないかと思ったのですが。うーん、再加熱してきて出てくる油のことを気にしてるんでしょうかね。まあいいけど。
で、会話はもうちょっと続きます。

男:味がしなくなっちゃうのはさ、ほら、塩って溶けるじゃん?で、暖めると蒸発しちゃうからさー。
女:へー。

へー、じゃないですよ。まあ塩が溶けて味がしなくなるってのはたぶん事実だと思います。けれどもそれにしたところで、振りかけられたばかりだと塩の密度が均一ではなく、その濃い部分では塩味がしっかりと感じられるのに対し、一旦溶けてしまうと濃度がポテト全体の中で平準化してしまって味がしないように感じるってことなんじゃないかと思うのです。つーか塩の融点は801℃で沸点が1413℃!そんなに簡単に蒸発したりはしないはずです。どんだけ強烈な再加熱なんですか!イモが全部消炭になっちゃうよ!
塩が蒸発するって発想はなかなか得難いものがあるように思われます。中学だか高校だかでガスバーナー使って実験とかしなかったかなあ。まあ塩の融点やら沸点やらをいちいち覚えている必要はないでしょう。実際私もそこまで覚えていたわけじゃなくて、単に「塩の沸点はかなり高い」という程度だったんですけどね。ただ、そういうばふっとした感覚を持っていることを称してリテラシーと呼ぶこともできるんじゃないかと思ったりしてみたのでした。