ツンデレーション

Perfumeの新作「GAME」を買いました。音楽CDを購入するのは実に久しぶりです。普段アイドルには興味ないぜってツラしてますが、時として突発的にミーハーなふるまいにいたることがあるのは困ったものです。
で、アルバムの末尾を飾る珠玉の一曲、「Puppy love」にこんな歌詞がありました。

一方的な表現の ツンデレーション キミが
好き わかりにくいね puppy love

ツンデレーション
ううむ。ツンデレって単語も一般化したんですねえとか思えばこそ、ツンデレーションという派生系の誕生ですよ。いやはや時代の流れというのは恐ろしく早いものだと思わされました。つーか個人的にはツンデレという単語にさえいまだ目新しさを感じるというのに、こともあろうかツンデレーション
まあそのへんの驚愕はひた隠しにしておいて、言葉ってのは日々変化するものだよキミ、と言ってしまえばものわかりもよさそうですし、とりあえずの体面は取り繕えそうです。こう見えてもちゃんと最新流行はおさえているのだよフフン、みたいに。
しかしですね、そうは言ってもやっぱり早すぎやしませんかこの変化は。私も一応仮にもWeb上に駄文をまき散らす者として、言葉の移ろいにはそれなりに敏感でありたいものと思ってはいたんですよ。いたんですがしかし、もう無理して最先端についていかなくてもいいんじゃないかと考えざるをえないのです。三十路をすぎたんだから、そろそろどっしり構えたとしてもいいよね、と弱気になったりもするのです。
まあしかし存在を感知してしまったものはしかたない。ツンデレーションについてすこし考えてみるとしましょう。この「ツンデレーション」、もともとは今さらいうまでもなく、天の邪鬼な方の不器用な行為表現としてのツンツンデレデレなる「ツンデレ」ですね。ヘボン式表記では「tsundere」となります。「ツンデレーション」は、ここに英語式の「-tion」が加わって「tsunderation」と変化したものだと考えられる。
「-tion」ってことは「tsundere」が名詞化したものだと捉えられますね。多分。とするとさらに「tsunderate」という動詞もありそうだな、と類推されるわけです。ツンデレイト。ツンデレする。他にも「tsunderator:【名】ツンデレ者」とか、当然あるでしょう。ツンデレイター。もうなにがなにやら。「tsunderative」ツンデレイティブ。意味なんか知らんよ。
というかもともと「ツンデレ」が名詞として存在しているにもかかわらず、「ツンデレーション」ってなんかヘンじゃないですかっていうかおかしくね?な気もしないではありません。だがしかし、新語というのは次々に生まれくるものですからして、ささいなことに目くじらを立てちゃいけないんでしょう。どうせ世間に受け入れられなかったら消えゆくだけなんだから、無理にタガをはめようってだけ労力の無駄なわけです。新しい単語を作り出すことそのものが一種の遊びだって側面もあるでしょうし、それはそれで楽しければいいじゃねえか。流行についていけなくなったおじさん世代は、せいぜい後づけの理屈を弄して子細ぶってりゃよいものと心得よう。
えーと、最近じゃマンガだとかオタクだとか日本語の単語がそのままの形で国際的に通じることもあるようですからね。そこからさらに一歩進んだ形として、英語と日本語が融合した言葉のありようとして「ツンデレーション」なる新語を捉えることもできるのではないでしょうか。まさにボーダーレス。グローバリゼーション時代の象徴。
あーその、なんだ。しかしその一方で言語の純血性というものはどんどこ失われていくことになるわけでして、実際世界に存在する言語数は減少の一途をたどっているという話も伝え聞きますし、国際化と独自の文化の共存をいかにして果たしていくかを我々は考えていかなければならないんでしょうね。どうしたらいいのかは全然わかりませんけどね。
それっぽいことだけ言うんだったら実に簡単なもんだと思いましたというか、今までやってたことと大して変わらないよなあと思った。

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