「使いやすさ」という視点

DVD+ハイブリッドレコーダ2機種を、主に使いやすさの観点から評価した記事。


なんだかんだ言ってTVの録画ってのは需要があるようです。私のまわりで聞いてみても、ドラマとかを毎週録画してる人は少なくない。特にCSを導入していたりすると、海外のサッカーの試合や映画などを録画するというのはどうも必須事項のようです。うーむ、その昔F1を全戦録画していたのを思い出すなあ。

でもって今時の流行といえばやはりDVDレコーダです。実際に購入したって人はそれほど多くないですが、「やっぱ欲しい」という声はよく聞く。最近はPCで録画ってのも少なくないですけど、モニタが小さいのが難点だし、ということのようですね。

なかでも注目はHDDを搭載したレコーダということになるんでしょうか。私はまだ現物にお目にかかったことはないですが、PCで動画を再生する感覚に近いだろうと想像できますね。データの管理がラクってのが一番のメリットでしょうか。VHSテープのかさばり具合を思うと、想像しただけでめまいがしそうです。そして長く保存しておきたいものはDVDに書き出せばよい。とても便利そうです。


しかしながらDVD+HDDのハイブリッドレコーダというのはまだまだ価格が高い。しかも年単位の長いスパンで使用することになる機器ですから、おいそれとは購入に踏み切れないものがあります。そこで参考にしたいのがこちらの記事。

購入に際してパンフレットや雑誌などの記事に眼を通す方は多いと思いますが、そうするとどうしてもスペックの比較になりがちなキラいがあります。俺は別にAVマニアじゃないんだからそんな細かいこと言われてもわかんないよ!それよりもウチの母さんにも録画予約ができるのはどの機種なんだ!という声は実のところ結構多いんじゃないでしょうか。

その点この記事では、特に「使いやすさ」に焦点を当てたレビューがされています。これはスペック表には出てこないけれども購入する側にしてみればとても重要な項目ですから、読んでいて「そうそう、こういうことが知りたかったんだ!」と思わされることしきり。さすがにユーザビリティの専門家が書いているだけあって、評価の視点や問題点の指摘の仕方なども非常に参考になります。


ざっと読んでみたところでは、外部チューナーを解してCSなどを録画する場合など、まだまだこなれていない部分が多いようです。最近はハードディスクレコーダなども各社から発売されており、なかなか激しい競争が繰り広げられているようでもある。今回紹介された2機種の実売価格をyodobashi.comでみたところ、PanasonicDMR-HS2が89,800円、東芝RD-XS30が98,000円でした。ハイブリッドレコーダとしては安いですが、やはり普及するにはまだ高いと言わざるをえません。一方でDVD-R/RWレコーダは50,000円程度のものもありますから、やはりこちらが先に普及していくのかなといった感触ですね。


ただ、どの機種を買うにしてもやはりせっかく買うからには使いやすいにこしたことはないわけです。そういった意味ではこの記事のように、単なるスペック比較やマニア向けでは終わらないレビューがもっとたくさん出てきてほしいですね。「使いやすさ」に関しては、最近「ユーザビリティ」という言葉がよく聞かれるようになりました。けれども「使いやすさ」が製品を使う上でとても重要な要素であるにもかかわらず、現時点ではまだまだ個人の好き嫌いでしか語られていない面があると思います。

好き嫌いでモノを言って得られるのは、せいぜいが「共感」どまりでしょう。それはそれでいいんですが、なぜそれが好きなのか、なぜそれが嫌いなのかを順序だてて説明できないことにはその意見に説得力を持たせることはできません。しかし、より自分にとって良い製品を作って欲しいのであれば、自らの要望をきちんと相手に伝えなければならず、そのためには説得力ある言葉ってのは絶対に必要になってくるんですね。だから単に好き嫌いという感覚にとどまるのではなく、そこをもう一段掘り下げて感覚を論理的に説明できるようになるといいんじゃないか。それが的確にメーカーにフィードバックされるようになってくれれば言うことなしですよね。その道の専門家の書いたレビューが参考になるってのは、感覚を理論立てるための「文法」がそこにちりばめられているからなんじゃないかと思いますよ。

でもそうやって一般の人が理屈っぽくなっちまうと、サポートセンターの人ってのはますます大変になるんだろうなあ。うーむ、想像するだに地獄のような日々。


ところで、ZDNNに「迷走するデジタルビデオレコーダ」という記事があります。この中にデジタルビデオレコーダ(DVR)は家電か否か、という話があるんですが、これって今後さらに__極端な話、すべての家電製品において__問題になっていくんじゃないかという気がしました。PCの普及に伴って、スタンドアロンとして存在していた従来の家電がどんどんネットワークにつながれていくのは間違いないでしょう。そこには保守やサポートの省力化というメリットがもちろんありますが、反面セキュリティリスクを抱えるというデメリットもある。そのための技術の確立はもちろん必要ですが、一番問題なのはやはり個人のセキュリティに対する意識のありかたでしょう。今はセキュリティといえばメールでのウイルス対策が主な話題になってますけど、そうこうしているうちに様々な分野からセキュリティに関する話が出てきてるんですね。なんかどんどんお堀が埋められていくような感じだ。


参考: