ニュー・バロック・パラダイス

札幌古楽夏音楽祭2003その2。4名のアンサンブル、ラ・フォンテーヌ。のっけからバロックオーボエ/バロックファゴット/リコーダー担当の江崎浩司がトばしたトークで、昨日とはまったく違って会場は砕けた雰囲気に。音楽の楽しみ方はいろいろであって、それはクラシックとて例外ではないってことだ。2曲目のコミックな協奏曲より『未開人とフュルステンベルクの婦人』(コレット)もテンポがよくて楽しい。
とはいえ、白眉はやはり後半の『最愛の兄の旅立ちによせるカプリッテョ(寅さん編)』である。バロックチェロの高群輝夫があろうことかハゲヅラかぶってタコ社長。開場一同ぶったまげてその後で拍手喝采となった。この曲はバッハの兄がオーボエ奏者としてポーランドへ旅立つ際に作られたもので、バッハのオルガン曲などから感じられる調和とそれにつきものの堅苦しいイメージとはちょっと違う。それに追い討ちをかけるように幕間劇なんかやってくれちゃったりもする。劇自体は素人のモノだけれども、台詞担当の江崎浩司のモノマネがけっこう似てる。よっぽど好きなのか、よっぽど練習したのか、あるいはその両方なのか。局の中にもオーボエによる寅さんのテーマが挿入されるは、終いにはバロックオーボエで寅さん役の三宮正満が客席に降り立ち、そのまま出口から出て行ってしまうというおマケつき。みんな大喜びです。
いやはや、楽しかった。なるほど、サントリーホールで公演したときにCDを売り切ったというのもダテじゃありませんな。
というわけで今日の曲目。例によってアンコール曲は忘れてます。