新たな段階に入った個人情報漏洩事件・事故(IT Pro)

タイトルだけだとどういうことかわからないが、記事の一文目を読むと意味がわかる。個人情報の漏洩に対して、実際に損害賠償の支払いが行われるケースが出てきたということだ。
起こるべくして起こっていることだと思う。しかし、それでも企業の対応は積極、消極に二分化されているそうだ。もちろん個人情報の保護に消極的な企業は今後淘汰されていく__というのが消費者にとっては望ましいシナリオなのには違いない。ただしそこにはひとつ条件があって、消費者がもっと声をあげなければいけない。つまるところ、損害賠償を求めてどんどん裁判を起こせ、ということになる。なにも言わずに耐え忍ぶか、はたまた悪質レベルのクレーマーかという極端さが日本の消費者にはあるように思うのだが、そのいずれにしても決してほめられたものではあるまい。果たして今後、どうなっていきますやら。
もちろん個人情報の漏洩に対して損害賠償を求めるのは当然の権利である。従って個人的にはどんどんやったれと思うのだが、望みうるのであれば、それを通じて「個人情報を収集する企業はセキュリティ対策をきちんと施し、かつそれを維持することができて当然」という「常識」が出来上がるといいと思う。現時点ではどうも不正侵入を実行したクラッカーと、セキュリティ対策を怠った企業のどちらに責任を追及すべきかについて、意見が定まっていないような気がするからだ。言わせてもらえばどっちも悪いのである。「クラッカーのせいだ」なんて言い訳が通用してしまうようでは困る。
つきつめて言えば、これらはどれも「当たり前のことを当たり前にやること」が求められているに過ぎない。けれどもその「当たり前のこと」ってのがずいぶん難しくて時間を要することなんだなあ、と思う次第である。