東京公演・総括

というわけで東京公演は終了。ざっとおさらい。感想も含めて見どころなど。ただし色々書きはするがこんなのは所詮ヨタであって、とにかく観てみなければなにも始まらないのがRiverdanceであるということは強調しておきたい。あのタップの衝撃はやはりナマで味わうべきだと思う。
さて、まず舞台全体の構成について。小編成用に作り直されたとはいえ、演目はジュネーヴ版DVDからほとんど変わりががない。そのせいかオーチャードホールの舞台ではやや窮屈に見受けられる部分があるのは確か。特にRiverdanceやAmerican Wakeなど、群舞のシーンは傍目にも狭そうである。これはオーケストラピットを舞台上(向かって左)に設置せざるを得なかった影響もずいぶん大きいと思う。おかげで舞台左手へのハケもかなり制限されてしまっているし、もう一回り二回りは大きめの舞台じゃないとツラいんじゃなかろうか。もっともこれはオーチャードホールのつくりのせいということもあるかもしれない。せっかく名古屋にも行くので、そのへんは確認してみたいところだ。
プリンシパルに関してはいずれのダンサーも遜色ないところかと思う。今回観た四人はいずれも足技だけでなく、上半身を使った表現も豊かで、まさしくRiverdance以後のアイリッシュ・ダンサーといった趣がある。中でも特筆すべきはMichael Patrick Gallagherの高速かつ緻密なタップだろうか。あれだけ高速でかつツブの揃ったタップはとにかく圧巻。
その他、Riverdance TappersやMoscow Folk Ballet Companyの面々の見事なワザの数々は変わらず。これはとにかく誰が観ても楽しめる。百聞は一見にしかず。とにかく観て驚け、というだけで充分だと思う。また、今回の公演への感想を色々見てみるとフラメンコのRocio Montoyaに対する評価も高いようだ。バレエとはまたひと味違った表現力は確かに酔わせるものがあると思う。肩から下、指先までを見事に操る技は妖艶とさえ言える。
そして肝心要のIrish Dance Troupe。Airさんによると、今回はダンサーに故障が多いとのことで心配ではあるが、ThundestormやRiverdanceの迫力はやはりナマで観ると鳥肌ものの迫力がある。ややフォーメーションがルーズなところがあったりもするが、それでも一糸乱れぬパフォーマンスは見事。今回は日本人ダンサーTakaさん(Airさんにインタビュー記事あり)が参加されていることもあり、観る楽しみもいや増している。ちなみにTakaさんは他のダンサーと比べると小柄なので、けっこう見つけやすかったりする。ご本人の「Takaのアイリッシュダンス夢Blog」で、舞台が狭い分「足のキレを重視」しているとのことなので、そのあたりもチェックしてみると面白い。確かに東京公演では他のダンサーよりもキレがあるように見えた。
ダンスだけではなく、音楽もRiverdanceを語る上では欠かせない。女性ソロシンガーのFiona Wightは初日、中日と観たときには声が出ていなくてどうかと思ったのだが、最終日は見事でした。余分な装飾のないクリアな声はNYC版DVDのKatie McMahonに通じるところがあって個人的には好み。とくに高音部の伸びは素晴らしい。あと、バリトン(名前がわからん)の迫力もすさまじい。空気がビリビリ揺れる。ただ、そのかわりというか、オーケストラはやや大人しい印象がある。もっと遊んでほしい気はするが、あまり出しゃばりすぎてもよろしくない部分があって難しいか。
……こんなところか?とりあえず網羅的に書いてみたが、最後にもう一度。
とにかく観ろ!観なきゃなにもわからん!