最後のRiverdance

Riverdanceの東京公演(赤坂ACTシアター)に行ってきました。
アイルランドの伝統舞踊という意味合いが濃かったアイリッシュダンスを、一躍有名にしたのがRiverdanceです。1995年の初演以来、総観客動員数は2,000万人を越え、「Riverdanceすなわちアイリッシュダンス」とも言えるくらいのムーブメントを作り上げました。今回の来日公演では皇后様もご観覧になったそうです。著作権的にアレなんで動画の貼り付けはしませんけど、YouTubeで「Riverdance」を検索すればいくらでも見つかるはず(幇助)。
かくいう私もRiverdanceには色々思い出があります。初観劇となった2003年公演では、当時住んでいた札幌から東京まで観に行った挙げ句にチケットを紛失。泣きながら帰って来つつも「それでも観たい!」と福岡まで飛んで行ったりしてます。ムダに日本を股にかけてますな。続く2005年公演時には既に東京住まいに変わってましたが、「東京に住んでるんだから、札幌-東京の旅費分もチケット代にあててよし!」なる超理論にもとづき、5回も観に行くという暴挙に出ました。チケット1万円以上するんですけど。さらにつけ加えるとそのうち1回は名古屋まで観に行ってまして、旅費云々というのは単なる口実、というか口実を通り越して真っ赤な嘘だったわけですね。
早い話が単なるバカなのです。
ただ、そんなRiverdanceも今回の公演が最後の来日になるらしく、オフィシャルサイトにもその旨デカデカと書かれています。ええええ。日本初来日は1999年で、その後何回も来日してますから、そろそろ収益面で釣り合いが取れなくなってきたということなんでしょうか。まことにもって残念です。泣けます。……という割に今回は2回しか観に行く予定がありませんでして、これは一体どうしたものか。と言いつつきっちり最終日を抑えておくあたりがツウっぽくてイヤな感じ。
とまあ、かように思い入れもよろしく、というわけで観に行ってきましたよ、08年6月15日(日)のRiverdance東京最終公演(ソワレ)を。いやー盛り上がりました。やはり観客の皆さんもよくご存じと言いますか、開演直後から明らかにテンションがおかしい、じゃなくてすごく高い。フィナーレにいたっては場内総立ちです。この手の観劇でオールスタオベってのは珍しいんですよね。少なくとも私は見たことないです。さらには幕が下りたあとも続く手拍子に、普段は絶対にないカーテンコールがあったりもしました。「ヤツらがこのまま黙って帰るとは思えねえ……」という主催者側の判断があったものと推察されます。そりゃダンサーは舞台を終えて疲労困憊といった体でしょうけどね。挨拶ひとつで暴動が食い止められるってんなら、私だって彼の首根っこ引っつかんで放り投げるのに、なんのためらいも覚えますまい。
というわけで、まさしく非日常を地で行く公演でした。いや実にいい経験をさせていただいた。ミュージシャンのライブでぴょんぴょん飛び跳ねたり、サッカーの試合で発煙筒をぶん投げたりする人たちの気持ちが少しわかったような気がします。ああすることによって日頃のストレスを発散させるんですね。理屈ではわかっていたけれども、実際に体験してみると至極なるほど腑に落ちた、って感じがします。昔の人々にとっては、年に一度の「お祭り」がそれにあたるのかなあ。炎を取り囲んでトランス状態になってまで踊り狂った太古の人々の気持ちにも、なにかしら通じるモノがあるのかも。などと考えてみたりもするのです。
まあ昔の人のことはどうでもよろしい。最終来日である今回のRiverdance公演ですが、東京公演は終了したにせよ、今現在は日本各地を巡るツアー真っ最中となっております。オフィシャルサイトで公演日程を確認してみると、今週は名古屋、その後は新潟、富山、福岡、倉敷ときて最後に大阪となっている。本当の日本最終公演は7月13日(日)17:00開演、ということになるわけですね。ふむ。
いや「ふむ」じゃねえですよ。大阪まで行くのに一体いくらかかると思ってんですかチケットだって安くはないのに。てゆーか次の日月曜ですよ。仕事でしょ。日帰りですか?疲れますよヘロヘロになりますよ週の初めからそんな状態で一週間耐えきれるんですかムリでしょ三十路過ぎたアンタの体力じゃ。そこを押して行くなんて、まったくバカの総仕上げも甚だしい。一体どのようなお考えであるのかを伺いたいもんです。
えー、そりゃ行きませんよ。まったく総じて全面的に行きません。すべからく行くべからず。いづくんぞ行くということありや。多分。きっと。おそらくは。はい。
……バカの総仕上げねえ。なんか妙に魅力的なフレーズですなソレ。