ニッポン全国マヨネーズ中毒(伏木 亨)

MSNジャーナルに連載中のコラムを書籍化したもの。と言ってしまうと購入意欲が半減するのに違いない。といって他に言いようもない。1600円ってのはやっぱりちょっと二の足を踏むだろう。ただ、出版が講談社なんで、今後文庫化される可能性はあると思う。文庫なら。
さて内容。やっぱり面白れーっすよコレ。単に表面的な話だけにとどまらず、国の農業政策なんかにも踏み込んでいく。ともすれば感情的になりがちな食の話に対して、きちんとした理性からの反撃がなされているといえるだろう。特に日本の持っている食の文化に対する愛情がそこここに感じられて、思わず共感してしまう。やっぱり日本人ならソースじゃなくてダシだろう。ワインじゃなくて日本酒だろう。とか思う。普段そんなこと言ってもいないくせに。
といってもカタ苦しい話にはまったくならず、軽妙な文章になっているのでサクサク読める。一つの文章も短くて読みやすい。MSNジャーナルに掲載された記事をカテゴリ別にわけたのもわかりやすくていい。といってもやはり読んでいると笑ってるだけじゃ済まされないところがさすがである。ついつい身につまされる。思わず今日の献立なんか思い出してしまう。面白うてやがて悲しき__そういう本だ。
買うにはたしかに二の足を踏む。でも連載中の記事はぜひ一度読んでみていただきたい。のところは無責任だ。どうしようもない。