日本フィルハーモニー交響楽団 第27回北海道定期札幌演奏会(第1日)

開場10分ほど前に着いたのだが、エラい人出でびっくりする。開演は開場の30分後なので、つまりは40分前ということになるだが、みんなマジメですな。どうやら小ホールでもなにかプログラムがあったらしく、混雑ぶりもひとしおである。というかチケットはほぼハケてるんだから開場は1時間前とかにすればいいのに。ムリか?昼の1時30分開演ってのはギリギリのスケジュールなんでしょうか。
ともあれ席についてみると、客席は本当にぎっしり。空席が指折り数えられそうなほどぎっしり。すげー。とりあえず今日は3階席なのでオペラグラスでも買ってこよう。にしても今日のプログラムはいつになくチラシがぎっしりである。持ち重りがするよ。袋とかくばんないかなー、と期待していたのだがそんなサービスはありませんでした。
で、そうこうするうちに開演。まずはビゼーの「カルメン」第1組曲ビゼーはフランスの作曲家であるが、これは言わずもがなのスペイン舞曲。聞けばだれもがノリノリになるであろう有名どころがそろっている。けれども一番ノリノリなのはやっぱり指揮者だ。クラシックのコンサートというのは大人しく座って傾聴するものと決まっているだが、指揮者の踊りを見ているとなんだか羨ましくなってきませんかそうですか。
んー、でも一番の盛上がりどころである「闘牛士の行進」はなんかちょっと音がハジけすぎた感じが。タガがはずれてしまったように聞こえたのは座った場所が悪かったせいか?あと、ハイテンポなのはいいけど、要所要所で音をビタっととめるような部分があったほうが好きかも。そのかわり「間奏曲」なんかのおだやかな部分はいい音だなーと感じた。特にフルートの音色はとても綺麗だと思う。そういえば「闘牛士の行進」ではタンバリンが使われてるんですな。プロが叩くとああなりますかって感じである。まいりました。
続いては本日の目玉と勝手に決めた「アランフェス協奏曲」。村治佳織は遠すぎてなんだかよくわからんかったが、真っ赤なスカートはいやでも目につきます。オーケストラの編成も変わってやや人数が少なめに。ギターはやはり音が弱く、オーケストラとの共演はあまりなかったそうだが、この曲以後ギターを使った作品も増えてきたんだとか。作曲者のロドリーゴは盲目の上にギターは弾かなかったそうだが、それでもこんな曲を作ってしまった。なんつーかまあ。肩をすくめる練習でもしようかという気になる話である。
しかしやっぱりギター一本だとオーケストラと張り合うのは大変なのねーという感じ。CDだとギターの音を強めているはずなので問題はないのだが、ナマだとやはりバランスが厳しいという印象。マイクで音を拾ってスピーカーに流しているようなのだが、それでもこう感じてしまうということはやっぱりギターってのは音が弱いのか。ギターの人数が増えると面白いのかもしれないけど、音をそろえるのに地獄を見そうである。うまくいかないもんかな。むー。
とはいうものの、やはりソロの部分は圧巻であった。特に第二楽章では長いギターのソロが何箇所かあるのだが、思いっきり引き込まれてしまいました。ギターをやらない私でもこうなのだから、ちょっとでもかじったことのある人が聴いたらひっくり返ってしまうんじゃないか。いやもう恐れ入りました。今度はもっと近い場所から見てみたい。やっぱり村治佳織目当ての客が多かったのか、終曲後は4回も舞台に呼び戻されてました。
休憩をはさんで、最後は「三角帽子」。これは初めて聴く曲なんでちょっと不安だったのだが、あちこちに面白い部分があって飽きることなく聴くことができた。冒頭部分でメゾソプラノの歌声にあわせ、オーケストラが手拍子と掛け声で応えるのにはさすがにびっくり。他にもトライアングルやら拍子木(カスタネット?)やらがアクセントになる。バイオリンも小鳥の悲鳴みたいな甲高い音を出す。寝てるヒマなんかありゃしねぇ。ううむ楽しい。
なんだかんだでエラそうなことは言ったが、いい思いをしたのは確かなコンサートでした。来年はナニをやるのかなー。
でもって札幌の観客が咳払い好きなのは相変わらずでした。そこだけちょっと。
あと、事前にCDを聴くなりして予習しておくとやっぱりいいみたい。