Text

ヒーローと大衆:現代に求められる「個」の実現について

久しぶりに山際淳司を読んでみたりする。なんだかとても懐かしい。 その中に80年代のヒーローと呼ばれる人たちについてのエッセイがあった。そこで原辰徳や江川卓にインタビューをしたときに『たとえば人形と話しているような、あるいは能面に触れたようなつ…

miracle.txt

普通に考えるとまず起こりえないことも、確率が0ではない限りは実際に起こりうる。絶対に破ることはできないと思われていた世界記録の更新、寄せ集めの雑草チームが金にモノを言わせて集められたエリート集団との試合によもやの勝利、宝くじで3億円が大当…

タブブラウザとMDI/SDI

ノートPCを主に使うようになり、狭い画面を有効に使いたいということでタブブラウザを使うようになりました。最初はSleipnirだったんですが、つい先日からはDonut Pを使用させていただいてます。なんで乗り換えたのかというと、ブックマークがInternet Explo…

フライト前の二者択一

飛行機に乗る、ということにはひとつの大きな問題がある。つい先日東京出張の機会があって飛行機を利用したのだが、そのときにもやはりこの問題に直面して往生してしまった。 落っこちるんじゃないか、ということではない。墜落を怖がっていれば飛行機に乗ら…

冷蔵庫

さきほど断熱膨張の身近な例は冷蔵庫なんて書いてしまいましたが、実際のしくみとは違ってる部分があるので訂正します。つーか20時間以上も前のことをさきほどとか言うのもどうかと思うんですが。 冷蔵庫がなんで冷えるかってのは、大雑把に言えば『気化熱』…

「情報」をめぐってだらだら書いてみる

書込みの少ない我が掲示板ですけど、題名をつらつらと眺めていたら「掲示板の書込みにタイトルは必要ないんじゃないかなぁ」なんて思ってしまったというのが発端です。だらだら書くぞー。今の掲示板のシステムとして、記事に対するレスをつけられないっての…

マイナスイオン

マイナスイオンあれこれ マイナスイオンはインチキか 実家から変なものが送られてきました。何の前触れもなくポストの中に封筒があり、触ると何か入っているようです。はて、何か送ってくれなんていった覚えはないんだけどなぁ。学生時代にはよく金を送って…

図書館問題

「おれたちは絶滅するか?」(Hase's Note:馳星周) 『書店での本の売りあげと、図書館で貸し出される本の定価合計は、ほぼ同額』というのが問題なんだそうです。確かにまあ問題なんだろうなあ、という気はしますが、なんだかゲーム業界で一時期盛り上がってい…

かつて友達だった人に

今は遠く離れた日の中に、君と過ごした夏があったこと。ぼくはもう忘れようとしている。なにをして遊んだのか、どんなことにぼくらが笑いあったのか、まぶしい木漏れ日の中にあったあの日のことは、みんなすべて大地に溶けた。川のせせらぎに流れていった。…

『敗北を抱きしめて』より

読書感想文ってのは普通読み終えてから書くものですが、実のところまだ第2章です全部で17章あるにもかかわらず!だから以下で書くことはこれから読み進めていくうちに本の中で答えが得られるたぐいのものかもしれません。ま、それはそれでいいや。 ちなみに…

ショートショートとか。

久々に書いてみたり。 叩かれるヒト 「あんたなんか大っ嫌いッ!」 雑踏のひしめく繁華街の中を切り裂く叫び声。その直後に乾いた炸裂音が響き渡り、道行く人々もなにごとかと足を止めた。トオルは好奇にあふれた視線を全身に受けながらしびれる頬に左手をあ…

界面活性剤

久しぶりにトイレ掃除をしたらあまりの汚さにめげてしまいそうになりました。モノがモノだけに精神的なダメージもなかなかのものです。というわけで「ブルーレットおくだけ」を使うことに。結構前に買ったものだったんですが、「次のトイレ掃除のときでいい…

冬の自転車

「BUSIN」というゲームを買った帰り道で、自転車を押すおばあさんを見かけました。冬になると雪が降って道路はツルツルになります。にもかかわらず自転車をつかうことをやめない人がいるんですね。しかもなぜか車道を走る。見ているほうがはらはらさせられま…

感想文

17:00「氷河に眠る友のもとへ」(NHK)ミニャ・コンガの冬季登頂に挑んだ北海道山岳会のメンバー8名は山頂を目前に滑落。1本のロープにつかまったまま雪煙に消えます。その時たまたまロープについておらずに残ったメンバー。そして後方で高度障害を発症した…

澄んだ音のする夜に

つくづく自分には記憶力がないのだな、と思わされることがぼくにはある。たまに、ではなくしばしば、しょっちゅう。それはそろそろ記帳しなきゃいけないはずの通帳だったり、締め切り間近のクラス会の出欠ハガキだったりとさまざまだけれども、そいつらは大…

ぼくのしあわせ

「しあわせ」とはなにか。 カギカッコつきの「しあわせ」をしかつめらしく論じてみせるのは、ある意味とてもラクなことだ。人間は幸せであるために生きているのだから、誰もが必ず一つは幸福観を持っているし、その尺度は人によって変わることを考えればよほ…

自転車賛歌

大雑把に言って北海道は広い。そして、その広い北海道ではクルマがないと暮らしていけないんだそうである。 そして私はクルマを持っていなかったりする。 となると私は暮らしていけてない、という状況に甘んじていることになってしまうのだが……。 ホントか?…

怠惰撃退法

世の中は連休で浮かれ騒ぎの巷である。札幌方面は今ひとつ天候には恵まれていないようだが、休みというのはただあるがままに休みというだけでいい。やれ旅行だやれ買い物だやれ庭の草むしりだ、などと無闇に飾り立てる必要などない。僕はただキミと一緒にい…

カルボナーラの悲劇

一人暮らしの独身男と料理、というのはボールペンと犬の首輪くらい関係のなさそうな取り合わせである。蛍光灯の白々とした灯りの下、背中を丸めてじゃあじゃあ暑苦しい音を立てるフライパンをじっと覗き込んでいる霊長類ヒト科ホモサピエンス独身オスには「…

たとえば彼が

たとえばファミレスでコーヒーでも飲みながら、彼がちらっとこんなことを口に出したとする。 「みんなが僕のことを嫌ってるんじゃないかと思うことがあるんだ。それは大げさだとしても、少なくとも好きではないってことは確かな気がする」 一体何があったの…

We Are the World

以前は布団の中に入ったあとでもラジオをつけっぱなしにしていることがよくあった。どちらかというとAMが中心でFMを聴くことはあまりなかったけれども、今の職場では昼休みによくFMが流れている。同室の人が聞きたいと思うのを咎めるほど、FMが嫌いというわ…

TV Watcher

世の中にはTVという大変便利なものがあるんだそうだ。 と、まるで他人事のような言い方をしてはいけない。いくら私が世間知らずであろうとも、TVの存在くらいは知っている。テレビジョン。そう、ヤツはテレビジョンである。テレフォンは離れたところと音声…

生命力回復計画

雪の別名が「六花」であることを知ったのはつい最近だが、いまだにこの単語を使ったことがないのがなんだか悔しい。とりたててウツくしい文章を書いているわけではないのだからそんな詩的な単語の出番がないのは当たり前だろう、と言われると返す言葉がない…

冷たい天の川

大学のグラウンドに寝転がると、視界には空ばかりである。冬の空気は糸を張ったような緊張感に澄んでいて、暗さに目が慣れてくるといつもより多くの星が見えた。それは普段から見えていたはずなのに、今まで気付かずにいた星たちだ。さほど視力のよくない自…

勘違い的北海道案内

ここ1年以上実家に帰っていない。 と口にすると、世の中にこれ以上の薄情者はいないと言わんばかりの視線がこちらに向けられることが多い。そりゃあ薄情なのには違いないが、ちょっと待った。一応こっちにだって理由らしきものの一つや二つあるんだから。大…

指から生まれた

インターネットにおいては指から生まれたような人間が時折みかけられる。普段は無口なのだが、いざPCを前にするといつ果てるともなくキーボードを叩き続けることができる人たちだ。かくいう私にも若干そのケがあって、こういう文章を書くのは実のところ痛し…

短気について

気が短いというのは大抵の場合よくないものだと思われている。その場の激情に身をゆだね、深く考えることもせずに行動に訴えてしまうような態度は理知的とは言えず、オトナの振舞いではないのである。いかなる場合も沈着冷静、雨が降ろうが槍が降ろうが慌て…

針のむしろ箱

かつて、カラオケはおやぢの娯楽であった。 場末のバーだかスナックだかに安っぽいテープのしみったれた伴奏が響き渡り、その上に割鐘のようなダミ声が覆い被さってくる。拷問のような数分間だ。もとより調律の狂ったような音感しか持ち合わせていない仲間お…

幸福感の相対性

No.049 人は決して自分で思うほど幸福でも不幸でもない。 大学を卒業する日が徐々に近づいていく中、「合格通知をもらった時にはあんなに嬉しかったはずなんだけどな」と思ったことを覚えています。ろくに勉強もせず単位は必要最低限で、理系の大学に進んだ…

叱る

No.037 過ちを犯した人びとに向かってわれわれがする説教には、善意よりも傲慢の方が多分に働いている。そしてわれわれは、彼らの過ちを正そうというつもりはそれほどなしに、むしろ、自分がそんな過ちとは無縁であることを彼らに篤とわからせるために、叱る…